第3話 めちゃくちゃハイスペックなようです

「んっここは?」

「いっっつ!」

「背中を打ったか...よく生きてたな俺」


上空から落下したのに背中の打撲程度で済んだ自分の幸運に思わず失笑する


「てかここどこだよ...」

「ふむ、ここがどこなのかはわしもわからんのぉ」

「!?うわぁっ」


独り言のつもりで呟いたのだが返答が返ってきたきた事実に驚き思わすわ声をあげてしまった


「おう思ったより元気そうじゃのう」

「だ、誰だおまっ」


その返ってきた声の主を見て俺はさらに驚愕した

なんだこのじじい!


「なんなんだお前」

「なんで半透明なんだよ...」


質問したのはなぜ半透明なのかであったがこいつのおかしな点は他にもある

まず武者鎧を着ていて額に角の様なものが2本生えている

その姿は鬼を彷彿とさせる

そして何故かそいつは蒼い炎のようにゆらゆらとしている

こいつの正体がまるでわからない

俺が目の前の存在の正体について思案しているとそいつが口を開いた


「わしは仁科盛信というものじゃ」

「わしが何者かと戸惑っておるのじゃろう」

「簡潔に説明するとわしは霊体の様なものでありまた、お主のそばにあるその刀でもあると言った感じじゃな」

「所謂、付喪神の様なものかの」

「.........は?」

「ん?聞こえなかったか、わしは付喪神てき」聞こえてるわ!」

「幽霊?付喪神?なんだそれありえないだろ」

「ありえないと言われてものう事実ここに居るんじゃし......」

「もう訳がらからないな、目の前にはわけのわからんじいさんはいるし、ここがどこなのかわからないし......てかさっきまで俺は蔵にいたよな」

「わしはお主の口が悪いことはわかったわい......」

「ふむ、そこら辺の話はは後でするとしてまずはそこら辺にあるもの回収したほうがいいんじゃないかの?大切なものなんじゃろ?」

「後でもしないけどな」


言われて見れば周辺には蔵にあった武器が散乱している

よく見れば蔵の床も破片となってそこら辺に散乱していた

床の破片はどうでもいいだろうが武器が散乱しているのはよろしくないだろう曽祖父の遺産だし


「悔しいがじいさんの言うとおりだな」

「じいさんと呼ぶのをやめい小僧よ」

「あーはいはい」


俺は適当に流して一緒に落ちてきた品々の回収を始めた



「こんなもんか」

「結構沢山あったのぉ」


俺は一緒に落ちてきた品々を1箇所に集め終わったところで呟く

一緒に落ちてきた品は


豪華なパルチザン的な槍が1本

ハンドガン一丁とその弾丸のセット

西洋のクレイモア

短剣2本

西洋風の豪華なショットガンのようなものとその弾丸

篭手

古そうなライフルとその弾丸

豪華なロングソード1本

フランベルジュが1本

そして件の日本刀


これだけの武器が一緒に落ちてきていた

斧とかハンマーとか重そうなものがないのは完全に曽祖父の趣味の結果だろうなと思う

ちなみに俺もあまり好きじゃない重くて疲れそう


「しかしどうするかこれ」

「そもそもどうやって運ぼう」

「ふむおそらくわしというかその日本刀の中に入るぞそれら」


「は?頭大丈夫かじいさん」

「日本刀のどこに入るんだよ」

「失礼な小僧じゃな...説明が難しいんじゃがその日本刀の中に空間?の様なものがあっての、かく言うわしもその日本刀の中におったのじゃ」

「実際にやってみるとよいわ、その刀の所有者はお主じゃからお主以外にはできんがの」

「刀の刀身で中に収容したいものを触れればはいるじゃろ」

「いや、ありえないだろ...」


俺は半信半疑で言われたように日本刀を手にして鞘から抜く

蔵でこの日本刀を抜いたせいでこのような状況に陥ってしまっていることからか手に力が入る

刀を抜くと蔵の時と同じく刀身から音もなく蒼白い炎が現れる

しかし蔵で抜いた時ほどの勢いはない

その事実に安心しつつ試しに自称付喪神のじいさんに言われたように短剣の1本に刀身を触れる

短剣は焦げもせずなにもおこらない

するとじいさんが


「中に納めたいと念じてみよ」


言われたように念じてみる

すると短剣蒼白い光につつまれて消えた


「おいおいまじかよ」

「この刀見た感じ名刀ぽいしアイテムボックスぽい機能もあるしハイスペックすぎるだろ......変なじいさんがセットではあるが」

「相変わらず失礼な小僧じゃな」

「あとじいさん俺は小僧じゃなくて 木桜悠 だから」

「なるほどわかったわ小僧」

「なるほど話し合いが必要なようだなじいさん」

「その様じゃのう小僧」


俺とじいさんはしばらく火花を散らす


数分火花を散らしたあと武器も全部日本刀に収容した俺は


「とりあえず呼び方の話は後にしてこの森を出ようか」

「ふむ、それがよいじゃろうな」

「あっちの方が明るいからあっちに行けば森を出れるだろ」


そして俺らは森を後にした

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

蒼の知恵者は自重しない ヘルパーTさいぼう @Batillus_subtilis

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ