第4話 快感

冷たくなった楓を僕は ながめていた。僕のひとみ から涙が流れた。何故 なぜだろう。大事な存在を失ったからなのか、それともすごく欲しかったモノが手に入ったからなのか。僕は数十分楓を眺めていた。とりあえず死体 かえでを隠す場所を考えた。コレクションにしたかったから身近なところに置きたかった。楓の頭を体から切りはな した。大量の あかが飛び散った。紅を掃除した後、楓をお風呂に入れた。楓は何故か悲しげな顔をしている。僕は幸せなのに何故彼女は悲しげなのだろうか。楓の頭を洗っている時に僕は勃起 ぼっきしていた。美しすぎるこの作品に僕は射精 しゃせいしてしまった。その後首から下をバラバラにし、黒の大きな袋に詰めた。自宅から数キロ離れた池に流した。楓の頭は僕にしか開けられないところに隠した。そして、僕は次の獲物 ターゲットを求めた。作品を作る時の快感かいかん は忘れる事が出来ない。

まだ言っていなかったが僕には彼女がいる。身近な人間は殺したくなかったが身近な関係ほど容易たやすい いものは無い。彼女の名前は二階堂奈緒 にかいどうなお中学の時の同級生だ。この間久あいだひさ しぶりに再会さいかい して付き合う事になった。彼女も近いうちに殺す事にしよう。

毎回彼女からの誘いが来る度に忙しいと言い断っている。断る理由は頻繁 ひんぱんに会ってしまうと一度に会うことの重さが軽くなってしまうからだ。彼女とは高校がちが うから殺しても大きな問題 もんだいは無い。まだ性行為 せいこういをしていないからしてから殺すべきなのか、僕はなぜか女性の裸にあまり興奮しない。どちらかとゆうと人を殺している時や殺した後などの方が興奮してしまう。僕は可笑 おかしいのか?そもそも僕は人間なのか?僕は人を殺すために生まれたのか?今なら言える来世 らいせでも人を殺したいと。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る