第3話 実行

『えっ?』楓が言う。まずい、少し早過ぎたか。その場に沈黙ちんもく が立ち込める。何故 なぜだか時間が経つのがすごく長く感じた。数秒後楓は『行きたかったんだ!!』嬉しそうに言う。僕はホッとした。力が抜けため息をついた。『良かった!』僕はそう答えた。昼食をませ僕の自宅じたく に向かう。楓はワクワクしていた。これから起こる事も知らずに。

そしてついた。『お邪魔しまーす。家には誰もいないの?』そう聞いてきた。『うん。両親りょうしん とも帰ってくるの夜遅 よるおそいんだ。』そう答えた。僕は6歳の頃から1人での時間を多くごしてきた。さみ しいという感情なんてものは無い。『そうなんだ。私が定期的に来てあげよっか?』楓のその言葉に僕は少しおどろ いた『ありがとう。でも大丈夫だよ。お茶持ってくるね』僕はそう答えた。

棚から二人分のティーカップを用意し、温かい紅茶を そそいだ。楓の紅茶の中に睡眠薬 すいみんやくを入れた。二人分の紅茶をテーブルに運んだ。楓はなんの警戒 けいかいもせずに紅茶を飲みした。数分が経ち楓は眠りについた。さほど強力な睡眠薬でもないが一時間程度は眠っているだろう。僕は楓を自分の部屋に運んだ。何故だか僕は眠る楓の くちびるにキスをした。やはり僕は楓が好きだったのか?数十分楓の寝顔をなが めていた。もうすぐ手に入るんだ。そう思うと早く殺したい。僕は さそり毒素 どくそから作った毒針 どくばりを用意した。そして僕は小さな声で『さようなら』とつぶや き楓の首元に毒針をした。楓は起きた。

痙攣 けいれんしながら楓は『な...んで...なん...でこん...なこと...するの』と言った。毒が回るまで数分の間楓はもがき続ける。『なんで』その言葉を言い続けていた。『私ね......達...哉くん...の事......好きだ...ったん......。』そう言い楓は息絶えた。ついに僕は楓を殺してしまった。ついに楓を手に入れたんだ。

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