第2話 偽り

僕は少しぼけた状態じょうたい 電話でんわ にでた。『おはよ~!ちゃんと起きてる?』楓が問いかける。『起きてるよ。』そう答えた。楓は『じゃあ〇〇公園に12時に!じゃねー』僕が返事をする前に切れた。ついにこの日が来たのか。僕は朝食をすまし、支度したく をした。

どんな服を着てこうか。とりあえずお気に入りの白いセーターと黒のパンツをタンスから取り出し着替きが えた。窓を見ると雪が降っていた。

もうこんな季節かそう思いつつ少し余韻よいん ひたった。どちらかと言えば冬より夏の方が好きだ。その理由ワケ は冬は生き物が冬眠とうみん する季節だからだ。僕の好きな解剖 かいぼうが出来なくなってしまうから。まあそんな事は置いておこう。鏡の前に立ち、ワックスを少し取り髪の毛に付け全体的にボリュームを出していく。ワックスを使ったのは中学生の時以来だった。

そして、僕は家を出た。約束の場所は徒歩でも行ける距離 きょりだったので徒歩で行く事にした。〇〇公園についた。そこには楓の姿は無かった。少し早く到着とうちゃく したようだった。それから数分が経った時に楓の声がした。『達哉たつや くん~!待った?』

『今来たところ!』僕はそう答えた。僕達は公園から一番近くにある停留所ていりゅうじょ に行きバスを待った。バスは案外 あんがいはやくきた。

僕達は映画館の前で降りた。『ついたね!』興奮気味こうふんぎみ に楓が言う。『はやくいこ』僕はそうい楓の手を引っ張り映画館に歩みを進めた。ポップコーンと飲み物を購入こうにゅう

受付 うけつけの人に2人分のチケットをわた した。 せき すわり予告を観ながら本編が始まるのを待った。映画よりとなり に座っている楓の事が気になる。楓は映画に夢中むちゅう で僕が見ている事なんて気づいていない。こんなに近くにいるんだ。ますます手に入れたくなる。『殺したい』『 のぞいてみたい』その想いがどんどん強くなってくる。

映画を見終わり映画館から出ると『お腹空いた』そう楓がつぶや いた。『ご飯食べに行く?』僕がそう言うと『いくいく!!』と楓は少し元気になった。近くの牛丼屋ぎゅうどんや に楓を案内した。昼食をっている時に僕は楓に言った。

『この後俺ん家来ない?』



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