肉弾特攻 ホモ鋼

スペルマ

第1話 皮下脂肪

お前はカラーギャング、肉弾特攻の総長であるホモ鋼だ。

お前のチームの色は健康的な肌色。人間の色、漢の色。

そうだったろう、お前の作った最強の軍隊は。

最後は副総長に裏切られてチームを乗っ取られて、チームは名を改め、レズ桜になったんだっけ。

裏切られて泣きながら集団暴行をされていた光景をずたずたになったまぶたのうろに映しながら。

皮下脂肪を蓄えすっかりこれまた健全でありふれて個性も何もない社会の歯車になったホモ鋼、きみだってそういった過去、思い出があるじゃないか。

君は今オヤジ狩りにあって意識をもうろうとしている中、若者たちに殴るケルなどの暴行を加えられているが、きみもそういった非行行為をしていたよね。

また、仲間に裏切られたときのリンチを想う。

親父狩りなんてしたからまわりまわって俺にまた帰ってきたのか、それにしても数十年先に来るなんて思っちゃいなかっただろうホモ鋼。

そういうことだって生きていればあるでしょう、決まってないんだから。常に生きるということは君の想像の範疇をいままでもこれからもこえてゆくんだからね。

蓄えた皮下脂肪できみは昔のことをぼんやりと想う。

それはまた、走馬灯のように。灯火が揺れ動くとき、きみは過去へ遡って、、、





ホモ鋼、目を起こす。体を起こす、そして気づく、そして思い出す、そして気づく。ここは彼らのアジト、肉弾特攻と血で紙に書かれたものが掲げられており、それはまた威圧感のあるもので。過去にでも戻ったのか、夢か、死後の世界か。

また、彼の溜まりに溜まった社会の波に揉まれて溜まっていった皮下脂肪もいつのまにか見事に綺麗に清算されていた、どこのだれが。ここのおれが?


上半身裸の団員が群れをなして俺に向ってぞろぞろ歩いてきた、その中には裏切り者、残高坊主も居た。若いくせにスキンヘッドで、この中では一番硬派であってやつだったが、むかつくな、今はこういったふうに忠誠心がありますっていうふうな真面目なかをつきをしているが、いずれ裏切るってのは俺の経験からもう理解してんだよって思ってた。

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肉弾特攻 ホモ鋼 スペルマ @ikazaburou

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