【くっ殺から始まるデュラハン生活】

■基幹技術:鉄器

■代表的なテクノロジー

◇文字

直線を組み合わせた表意文字が主流である。直線なのは石板や樹皮などに刃物で刻む必要がある事から。現時点では紙は発明されていない。

書簡に用いられるのは樹皮や木簡、角柱型の粘土棒、地域によっては竹簡である。記録は石板や粘土板が多い。それらは持ち運びの便を考慮し、様々な工夫がなされている。

◇言語

大陸全土で地域差こそあるもののほぼ同じ言語が話されている。これは、神官と呼ばれる人々が世界中を移動し、情報を交換している事と無関係ではあるまいが詳細は不明である。

また、場所によってはこの言語とは異なる独自の言葉が用いられている時もある。これらの言語に対して、大陸全土で通じる言葉を共通語と呼称する。

◇通貨

銀貨、銅貨が流通している。場所によってレートはまちまちである。貨幣の価値を担保するのはその素材が持つ希少性である。銀は魔法的物質であるため特に価値が高い。

また、変わったところでは魔法の護符が通貨代わりに扱われる場合がある。軽量で大量に持ち運びできることから。

とはいえ、辺境では物々交換の方が喜ばれる。

◇数学

0の概念がある。また、一部の哲学者の間で負の数の概念が発見されているが一般には普及していない。

舞台となっている大陸で一般に用いられている算術は十二進法である。二及び三で割り切れる事にちなむ。

暦は月の満ち欠けを基準とした太陰暦。農耕のために発展した。

◇冶金術

加工が容易だが比較的高価な青銅は鉄器にとって代わられており、祭器や魔法の道具、鏡など一部の使用にとどまる。

金属は高価であるが、鋳造による初期のフルプレートアーマーが存在する。ただしあまり一般的ではなく、魔法の道具に匹敵する高価で強力な装備である。一定以上の規模の国家でなければ入手できないであろう(女騎士や女剣士が装備していたことからも、彼女らが大変裕福でそれらの装備を入手できる環境にいたことが伺える)

それよりは鎖帷子や鱗状鎧の方がよく見かけられる。

それでも、人々は可能な限りは金属の武器を手にしている。身を守るためには必要だからである。

◇建築技術

地域によって差はあるが、現時点で舞台になった場所では木造・石造りのものが多い。場合によっては煉瓦なども存在する。砂漠地帯の集落では日干し煉瓦などもある。

床は裕福な家にのみ見られ、一般的な家屋では土間が主流である。もちろん地域差は存在する。

◇セラミック

高温を作り出す技術の普及により、高度なものが作られるようになっている。一例を上げれば陶器や初歩的な磁器などが存在している。されど庶民の手が届く範囲は素焼きが多い。小さな村落では村人が土器を自作する場合もある。

また、瓦が存在する。

◇ガラス器

この貴重な工芸品は、その美しさから一種の芸術品として、あるいは贈答用として珍重されている。大変に高度な技術を必要とし、流通量は大変少ない。

◇造船

金属が貴重な事から、大陸中央を流れる大河で用いられる船は一切の釘を用いない作りが発展した。縄とタールで船体を組み立てるのである。帆は布を使わず、ある種の植物の葉を編み上げたものが多い。

◇縫製

近年、機織り機が普及したことによりかなり布の生産効率は上昇した。とはいえいまだに生産速度はさほど高いとは言えず、高価な事に変わりはない。人々は布を大切に用いる。

◇計時

日時計や灯心の燃え具合で時を図る技などが一般的である。

近年、振り子と金属のしなりを用いたごく初期的な振り子時計が発明され、賢者たちの間で驚きを持って迎えられている。

◇医療

薬草を用いた経験則的なものが主流である。傷口を縫ったり、あるいは初歩的ながら外科手術も存在する。後述する魔法の影響もあり、文明レベルから考えれば驚くほどの医療を受けることも可能である。

薬師はある種の魔法使いとみなされており、実際にそのような側面はある。

◇魔法

この驚異的なテクノロジーは、個々の流派ごとの秘伝とされ魔法使いと呼ばれる人々によって独占されている。とはいえ魔法の産物は比較的安価に流通しており、ちょっとした護符や結界などは庶民でも十分に入手できる。それらは実用的な性能を発揮する。主に危難避けや幸運、安産などの効力を持つものが多い。

とはいえ高度なそれは入手が極めて難しい。真に力ある魔法の品物は金子で取引されることがない。

魔法を習得する方法は少ない。魔法使いに弟子入りするか(弟子を取るということは一族に引き入れるという事と同義なため、部外者を弟子に取ることはどの魔法使いも慎重になる)、神殿などに所蔵された魔法書を読んで独学するか(そもそも独学に用いられるレベルの体系だった魔法書は数少ない)、魔法使いを捕らえて術の秘密をしゃべらせるか(価値ある魔法を知っている力ある魔法使いを捕らえるのは大変な困難を伴う)などである。

異なる流派の魔法を習得するのは難しい。別々の流派の首長格同士が婚姻関係を結んだ場合などは流派の合併が行われる場合もあるが、あまり一般的ではない。魔法使いにとって、魔法の秘密とはそれ自体が財産である。財産を他者に無償で譲るということはめったにない。ちょっとした魔法ひとつを伝授されるだけでも大変な代価を請求されるであろうし、他人に無償で魔法を教えるような魔法使いは、他の魔法使いからも信用されないであろう。

ちなみに闇の魔法使いが複数系統の魔法を習得している場合があるが、もちろんまっとうな手段を用いていることはめったにない。

◇信仰

このテクノロジーは、神と呼称される超越存在と交信を執り行うための技法である。神と実際に交信したり援助を引き出すことが可能なこの技術は、神殿と呼ばれる場所で習得することができるが、まれに一般人が自力で神との交信に成功する場合もある。

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