各作品間資料

クファンジャル_CF

テクノロジー

【禍の角】

■基幹技術:量子力学。特にトンネル効果の直接制御は重要。

■代表的な戦術

・亜光速近接戦闘

索敵技術の限界と、機械の移動・反応・駆動技術の向上により、機械の移動速度とセンサー波の速度は限りなく近づいていた。すなわち距離が離れれば離れるほど、敵を発見した際の情報に誤差が生じるのである。これでは攻撃の命中が期待できないため、極力接近=刃を直接交えることができるほどの近距離での戦闘が主流になった。光速の99・97%での戦闘中は、拳が届くほどの距離でなければ攻撃を当てることが難しいのである。35m級機械生命体・金属生命体の四肢は、我々の概念にあてはめれば戦艦の砲塔に近しい。複数同時攻撃可能にすることで命中率を上げることと、幾つか破壊されても戦闘続行にするために格闘武器としての四肢が存在している。遠距離戦技術もあるが、近接戦闘が今のところ最も有効である。

■代表的なテクノロジー

■物質波構造体

大型機械全体をボース凝縮させ一個の"波"とすることで、物理的攻撃を透過可能とするシステム。亜光速で飛来する弾丸でも防御可能だがサイズ制限がある。こちらの前方投影面積の半分かあるいは17mの小さい方までが上限となる。機械生命体が35mサイズなのもそれが理由。このシステムのため、この世界における近接戦闘はめまぐるしく前方投影面積を変更しながらの激しい格闘戦となることが多い。


■無慣性状態

二つの作用により質量をほぼ0にした状態。質量ほぼ0であるため加減速に必要なエネルギーがほぼ0となり、更に作用・反作用による負荷もほぼ0である。光速の99・97%まで加速しての近接戦闘すら可能とする。


■質量制御

無慣性状態を実現するための技術。

機械の表面の物性を変化させてヒッグス粒子を弾き飛ばすプロセスと、複雑な素粒子間の相互作用の制御の二つによって実現される。後者のみを利用して、見かけ上の質量を増加・格闘攻撃の破壊力を増加させることも可能。


■物質透過(原子間透過)

原子間がスカスカなのは知られている。にもかかわらず物体がぶつかっても透過してしまわないのは物体の電磁気学的作用のせいである。この技術はトンネル効果の限定的制御によって作用を無効化させ、物質と物質を素通りさせる。ただし条件があり、低速の物体に対してしか機能しない。この条件は物体の密度等によって緩和され、電離していない気体であればほぼ無条件で透過できる。なお、透過する際の抵抗は限りなく0に近い。そのためこれを利用すると、大気中で無慣性状態にシフトすることができる。ただし0ではないため負荷がかかり、機械生命でも2~3秒程度が限界。


■転換装甲

早い話がものすごく強力な装甲。小天体破壊級の攻撃に耐え、恒星表面での活動すら可能とする。

原理的には二つの作用からなる。ひとつがこの宇宙にある11次元の利用。3次元を除く次元は「見えない」が、それは非常に小さいため。この残る8次元を利用して見かけより物質の装甲が内包する体積をはるかに大きく取り、中に多数の空洞を作るのである。ハニカム構造や発泡構造が頑強なのと同じ。

もうひとつが、素粒子の本質である「ひも」の利用である。ひもは振動数が増えると保有エネルギーと質量が増加するという性質があり、ここに受けた攻撃のエネルギーを蓄えて、後で徐々に放出させることで被害を低減させる。


■量子機械

量子サイズの自己増殖型極微機械。様々な量子的作用を直接制御できる。高度機械の全体に遍在している。

代表的な使用法はトンネル効果の制御である。トンネル効果とは、物質がエネルギーポテンシャルの壁をするりと透過してしまう作用。電子が原子に落下しないのもこの壁によるものだが、量子機械はそれを無効化してしまう。応用例として、大量の原子をシュバルツシルト半径内へ"落下"させ、重力崩壊を引き起こすことなどがあげられる。すなわちマイクロブラックホールを作ることができる。


■特異点砲

量子機械で作ったマイクロブラックホールを投射する火砲。


■観測帆

早い話が超巨大センサー。展開するごとに一回ずつ作り直す。レーダーはパッシブセンサーと比較して往復しないといけない分不利なため、超巨大なパッシブセンサーとして観測帆が存在する。遠距離射撃用のものは直径数十キロが主流。


■代表的な兵器

■突撃型

35m級の高能力無機生命体。基本形は人型に似るが四肢の他にさらに複数のアームを保持している場合が大半。

亜光速近接戦闘能力を備える。転換装甲と物質波構造体で身を守り、無慣性機動で接近・その速度で攻撃・防御を行う反応速度を持つ。反応速度向上のために四肢の尖端までがセンサーを備え、それぞれの神経系が自律的に反応するのを腰のコアが統御している。性質上、機齢が高く経験を積んだものほど強力になる。

金属生命体群は「突撃型指揮個体」、銀河諸種族連合の機械生命体は「突撃型ユニット」と呼称されるが技術的にはほぼ同様のものである。

禍の角が代表的。


■仮装戦艦

35m級高能力無機生命体。四肢を持ち、上部に副砲塔を備えたレイアウトが多い。四肢の尖端、手首から四基の特異点砲を備え、背面には観測帆を備える。拠点攻撃用の大火力型。一応亜光速近接戦闘能力も備えるが脆弱である。拠点攻撃用の戦艦の代用品として多数建造されたことが仮装戦艦の由来。


■襲撃型

35m級高能力無機生命体。四肢を持ち、背面に大型放熱板及びセンサー、手に銃剣あるいは大剣を装備したレイアウトが多い。突撃型に放熱能力・センサー性能・近接武装のリーチで勝るが装甲と旋回性能では劣る。突撃型から艦隊を守るために銀河諸種族連合が開発したのが起源。襲撃型とは開発時の秘匿コードにちなむ。実際は防御型の用途で用いられることが多い。金属生命体群側のものは「襲撃型指揮個体」銀河諸種族連合側では「襲撃型ユニット」と呼称する。

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