第2話 メランコリーの雨



「雨になりましたね。」







夕食のお買い物をすませた店先


気づけば雨が降っている。





めあねすはウィズの店でバニルに遊んで貰ってるだろう。


あの大悪魔は

生まれた時からめあねすを我が娘の様に可愛がってくれている。


めあねすはアクアと同じ波動の神格と大悪魔の持つ魔格を半分ずつ持っているらしい。


カズマか私のどちらかに

悪魔の属性があるのでしょうか?…


ならばきっと

それは私のほうなんでしょうね。




「それにしてもよく降ってきましたね…。」




紅魔の里にも降っていますかね…?




「雨宿りついでに

昔の話をしましょうか。」




幼い頃から私は

爆裂魔法のことばかりでした。


学校でも……そんな調子でしたから、今思えばゆんゆんより浮いていたのかもしれません。




同い年のコたちが

男の子の話をしていても、何の興味もなく、ただ爆裂魔法を早く覚えたい。

里を出て爆裂魔法を撃ちたい一心でした。



ほんとになんにも興味なかったんですよ?


今の自分に自分でも驚いています。




カズマ

あなたに出逢ってから私のまわりは

騒がしく、楽しく、

でも

とてもおだやかに時間が流れていって


気づけばあの日から

私はどんどん優しくなっていく。


それは

あなただけのおかげではないかもしれません


そうですね…。


あなたが居て、傍にはアクアが居て、それからの私とダクネスなのです。



ふふ。

解らなくてもいいですよ?



解らなくていいです。




今はまだ

私のカズマで居て下さい。





さぁ

雨も止みそうにありませんし

たまには濡れて帰りませんか?


めあねすはまだまだ遊び足りないでしょうしバニルに任せて

あとでテレポートで迎えに行きましょう。



大丈夫ですよ。


帰ったら洗濯しますから。



だからあなたは私を

ちゃんとあたためてください。




ちゃんとかわくように。














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