第22話 バレンタインステータス

 今日は2/13日。世間ではバレンタインだと盛り上がっている時期である。バレンタインだから人々はチョコレートを買い、愛しい人にあげるのだろう。最近では男性から渡す逆チョコ。なんてものもあるらしい。企業戦略に踊らされた男性達はきっと今頃は渡すチョコを吟味して探しているのだろう。女性はきっと吟味しながらチョコレート作成に精を出しているに違いない。バレンタインデーというのはそういうものなのだ。かくいう私も、高校時代はブラウニーやらトリュフチョコなどを貰ったが、あれは男のステータスを表すものと化していた。貰った個数が多ければ多い程男としての価値。つまりステータス性がある。という事になる実に単純なシステムだ。私はそのステータスでは恐らく真ん中くらいであったと記憶している。毎年本命チョコだけは貰っていたから中間だという、些か雑な判断だが、そもそもバレンタインステータスなるものがくだらないことだと思っているので私は中間だろうが、上だろうが下だろうが、どこに属していても良いと思っていた。さてバレンタインに対する皮肉はこの辺にしておこう。紗奈からチョコレートを貰えなくなってしまったら元も子もない。バレンタインデーは素敵な日だと認識しよう。そう思い散々皮肉を垂れ流しながら、内心ドキドキしているバカな男は今日も街に溶け込んでいった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る