第9話 朝比奈久遠と退屈な日々
時が過ぎるのは早いもので、私が大学へ入学してから1年半が過ぎていた。もちろん大学2年生である。留年などする訳もなかった。そして1つ変わったことがある。そう、成人になったのだ。というのも可笑しいが、私は20歳になっていた。酒と女と煙草とパチンコはやめておけ。と誰かに言われた気もするが、まぁほぼどれもしてない。と言ったら嘘になるが…
パチンコは一回だけ行ったことがある。もちろん調査で行ったまでである。台を叩いているチンパンジーのような人がたくさん居て私にはとても新鮮な光景であった。
それ以来行ってないし、行きたいとも思わない。そして女については絵里と未だに一緒にいるが、悪い女ではないので、まぁこれは良いだろうと私は思っている。そして次には大学生の定番である酒が出てくる訳だが、これもたまに飲む程度でほぼ飲まない。もちろん誘われたら行くが、枝豆をひたすら食べるだけで、酒のつまみを食べるだけである。これが本当のつまみ食いなのかもしれないなと内心思っているが、そんなくだらないことはどうでも良い。さて最後は煙草だが、これは友人に誘われれば吸ったり、考えがまとまらない時に吸ったりなどしてるので、煙草は吸ってないとは言えないのである。もちろんヘビースモーカーではない。たまに嗜む程度である。むしろ私が好きなのはライターである。私のライターは芸術品のような代物で、開けるとピンッと綺麗な音がするのだ。まぁ、ただそれだけなのだがカフェなどにいると優越感に浸れる。要するにライターを使いたいがために吸ってるようなものなのだ。絵里にも余り吸うなと止められているという事情もあるのだが、それを言うと私の顔が立たなくなってしまうので省略しよう…そして絵里の家のシングルマットレスはダブルに変わった。もちろん私のためだが、私はどうも人と寝るのが苦手で結局はいつも別の所で寝ている。絵里はダブルを独り占め出来ているので、文句は言ってこない。私の寝るときの相棒はそのだくん。なのだ。ここまできて今更かもしれないが、私の相棒の正式名称はそのだくん。なのだ。この読点が大切である。これが無いとそのだくん。ではないのである。ここまで読点を乱用すると最近流行りの映画を思い出す。確かいつだか忘れたが、絵里と見に行ったのだ。確かタイトルは…うーん…どうも思い出せない…君の名前は?というようなタイトルだった気もするし、違う気もする。とにかく思い出せないので仕方ない。話を戻そう。そのだくん。である。もういい加減分かったと言われそうだが、相棒の名前はそのだくん。である。どうか覚えてやってほしい。そうだ、今日は確か給料日だったはずだ。久しぶりにカフェにでも行くとするか…
カフェに着いた私はブラックコーヒーと灰皿を持って席に着いた。さて久しぶりに鳴らすとするか…喫茶店の静かな空間にピンという音がした。今日も心地よい音が喫茶店に鳴り響いた。
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