第8話 朝比奈久遠と幸腹の食べ物
私の好物は焼き鳥と塩ネギからあげである。焼き鳥は皮は塩と決めているし、ネギマ(地方ではネギ巻き?とでも言うのだろうか)はタレと決めている。ちなみに私が一番好きな焼き鳥の部位はぼんじりである。これも地方によっては「ぼんち」などと様々な呼び方があるらしい。そんな小話がある所も私が焼き鳥が好きな所以である。ネギ塩からあげは絵里と一緒に住んでから見つけたものだ。絵里の家の近くにある下町商店街の中にそのからあげのお店はある。そもそもそこはお惣菜屋さんであり、その他にも私の好物である焼き鳥やちくわ揚げなど様々なお惣菜が売っているのであるが、私が買うのは決まってネギ塩からあげである。何故私がここで焼き鳥を買わないのかというと地元に贔屓にしている。というか、私が巡って来た様々な焼き鳥店で一番美味しいお店があるからである。つまり私は焼き鳥はそこでしか買わないのである。しかしそれは件のからあげにも言える訳であり、私はあのお店以外ではネギ塩からあげは買わない。意外と品物自体は売っているのだが、なんと言ってもそこのお店の女性店員が私のことを覚えていて、注文しなくてもいつものネギ塩からあげが出てくるのである。まぁ、もちろん料金割引等と言ったサービスはないのだが、それも下町商売といった所なのだろうなと思いながら今日もネギ塩からあげを買った。なぜネギ塩なのかは私もわからない。最初に買ったのが、これであったというだけなのだ。もちろん普通のからあげもあるし、それも恐らく大変美味なのだろうが、私はネギ塩派なのである。というかネギ塩を用意されてしまうのだから仕方ない。とはいいつつもそのサービスに心地よく感じている自分もいることに気がついてはいる。ここではどうやら例の金色のカードは使えないらしい。私はあれはなんでも買える物だと思っていたので、少し驚いたが、店員のほうが面食らっていたような気もする。実はあの外国紙幣デザインのカードのプラチナカードなるものも作れるらしいのだが、私にはそのサービスの利点が良くわからないのと、カードのデザインが微妙なのもあってまだ金色のカードを使い続けている。さて、話を戻そう。私の好物の話だ。せっかくなのだから普段のイメージとは違うような事も言っておきたいものである。私はこんな口調だし、こだわりも強い為、甘いものやスイーツ等は食べないと思われがちなのだが、実は大のスイーツ好きである。この前も1人でゆったりとあんみつに舌鼓を打っていた。和スイーツ以外にも、クレープやシュークリームなども好きだし、パンケーキなども好きである。もちろんこんな性格なので、甘いものを人と食べる時は疲れが取れると聞いたから食べてるだけだ。とかぬかすのだが、まぁほんとはただ甘いものが好きなだけなのである。
別にスイーツや焼き鳥も高級である必要はない。むしろ焼き鳥などは庶民の食べ物である。税金使い放題の上級国民たる政治家等に焼き鳥の素晴らしさを語ってほしくはないと私は思う。焼き鳥はワンコインで買えるのが魅力なのだ。もちろん100円である。その100円の魅力を再認識させてくれるのが焼き鳥であり、ネギ塩からあげなのである。俗に言う下町グルメとかいうやつなのであろう。私はこの下町グルメというのが大好きだ。高級フレンチにはない良さがあるのだ。これらの甘いものや下町グルメは私の空腹を満たしてくれる。幸福の味がするのだ。もし、食べ物が好きなグルメな人がいたら共感してもらえると自負しているのが、この世には幸せな味。つまり幸福な味がするものがあるのである。大学生がこんな事を言ったらまたお小遣い制のサラリーマンなどに、若者に何がわかる。とか言われるのであろうが、そんなの無視である。幸福な味は庶民の味なのである。別に若者だろうが、老人だろうがそんなの関係ない。むしろ老若男女全ての人々に愛される食べ物こそ素晴らしい食べ物なのではないか?と私は思うが、まぁ何度も言ってやるが私はパチンコに行ける身分ではないのでお小遣い制サラリーマンには食ってかからないようにしている。もちろんこれは皮肉だが、馬鹿な社会人にはきっとわかるまい。だからきっと問題ないだろう。さて、こんな下らなぬ愚痴はここまでにして幸福の味を楽しもう。料理が冷めないうちに…
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