フリーゲームを擬人化させてみたったった

人狼店長

第1話 ~フリーゲームの憂鬱~

ここは、フリーゲームの擬人化された者達が集う行きつけのカフェバー『gioco』。


「ねぇマスター。私まだ人気よね?」


「それは…どうですかね…」


イヴよ。


フリーゲームのIbのキャラでは無いの。

本当のフリーゲームよ。


ゲームの擬人化ってなんだよそれって話になりそうだけど…。


それは、作者が某国擬人化マンガを見て感化されたと思ってくれないかしら?


…ええ。気にしないでね。国とゲームじゃあ擬人化されても萌えないとか言わないでね。


「マスター…。あなたにとってのフリーゲームって言ったら…何かしら」


「…そういう質問は…ちょっと…」


…悪いけど幻滅しないでよね。


Ibって言ったら、ギャリーというキャラとか美術品が動くということで有名よね?

だから私もオネエ言葉なんだけどね…。

もともと、暗いエンディングが多いのよね…。

というか、ハッピーエンドが皆ハッピーになれないというか、暗くて重い設定のおかげであまり幸せになれないのよねぇ…。

だからね、結構暗い性格なのよね…。


「イヴさん。イヴさん。こんにちは、今日も愚痴?マスター。サンドイッチお願い」


と、あどけない声で聞こえた声。子供っぽい声だけど一応私より一つ年下なのよね。

後ろを振り向くと、白黒だけで形成されたアホ毛の少年がいた。笑った顔の仮面を頭にかぶっている。普段なら顔につけるための奴だと思うんだけど、それを頭に斜めに被っている。

ツギハギのフードマントに、下はジャージのようなものを着ている男の子。


彼の名は排ガス。本名は排気ガスサークル。

名前と画風の怖さが災いして、すごく怖いゲームと思われるんだけど、本当は優しくて感動できるゲームよ。

キャラも世界観も濃くて、とにかく設定が作り込まれてるのよね。


「ああ。ちょっと、私もおじさんになっちゃったなぁって感じなのよね。

私は一応2012年の公開ゲームじゃない?」


「それなら、ボクもおじさんだよ。2013年生まれだし」


「ううん。まだ若い方じゃない?」


…まぁ、彼にも欠点があるとすれば、あの点があげられるわね。


「こちら、サンドイッチです」


「それじゃあいただきます」


と、言ったさなか。全身が黒くなり大きな口がサンドイッチを飲み込んだ。

グロテスクな音を奏でながら、サンドイッチを咀嚼している。


そう。見た目が怖い。特に敵の見た目が怖い。

そうでもないキャラもいるんだけど、とにかく敵の見た目が怖いし。ラスボス戦の背景がすっごく怖い。


そして、かなり鬱描写が多いのよね。


「ねぇ排ガス。最近の後輩どう思うかしら…」


「あー…。最近では新しい技術も増えて、なんだか小さい機械でもできるようになったよね。今まではパソコンだけだったのに」


「それはスマホよ。

あー。後輩が怖いわー…。やたら凄い子多いじゃない。私負けそうよ…」


「大丈夫だよ。君の影響で生まれた子も多いかもしれないじゃないか」


と、頭をポンポンされた。

ほんとにいい子なのよね…食事をする時の見た目を除けば。


「なんだ。お前達も来てたのか」


と、来たのは怪異。本名は怪異症候群。


黒がかった灰色の短髪の男性の地味ーな姿。前は学生服をきてたんだけど、この間2が出た時から、スーツ姿なのよね。Rが出てから赤い瞳だし。…少し赤い髪飾りが異様だけど。


あと、私の先輩。


「怪異先輩。こんばんは」


「怪異先輩!後輩が怖い時はどうすればいいの~っ!」


「またそれか」


…そう。今の悩み事は、とりあえず最近の後輩が怖い事。

最近の後輩はストーリーが作り込まれてたりシステムが面白かったり、とにかく面白い。


まぁ、私も結構すごい方だと思うのよね。

そのおかげで後輩対策を全くせずに3年…。

少しやばいわよね!


「…それを言うなら、配信して新年迎えたらいきなりお前みたいな後輩が現れた時は、こちらも死んだ目をしたがな。言うなら、四方を猿夢に囲まれたようなもんだ」


と、何やらカクテル見たいのを飲んで、怪異は呟いた。


「ボクもだよ。じわじわと人気出たかなと思っていたら…。霧雨とかアリスメアとかクロエとかに気づいたら人気の座を取られていたんだよ」


排ガスはまた怖い姿になりサンドイッチを丸呑みにした。


「いつの時代も、後輩は怖いもんだ」


怪異先輩はカクテルを一口飲むと、少し微笑んだ。


「…しかし、中には俺らを思ってくれる人がいるだろう」


それだけでも幸せじゃないかという感じで、私と排ガスの頭を撫でた。


まぁ。今日だけでも、飲んで忘れるとしますか。


「二人共飲むの付き合いなさいよー!」


「いいよ!サンドイッチとクッキーをもう一つ!」


「…仕方ないか」




………


こんな、フリーゲームたちの日常。


また、覗いてみませんか

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