第16話 Peridot
「アナタの容姿が悪いのは私のせいじゃないわよ」
サラッと他人の容姿を
アタシの身体は優れている。
アナタの身体はアタシより劣っている。
第3者的に容姿を判断しただけ…。
「なんでアタシ指名客が少ないんだろう、
「ん…私は顔がいいから」
「おぉ~自信あるのね?顔だけなのに」
「顔だけでもアナタより優れてるってことでしょ…」
「はっ?ケンカ売ってる?ねぇ!」
「アナタの容姿が悪いのは私のせいじゃないわよ」
ただそう思っただけ。
自分の方が容姿が整っているのだから…。
(なぜ、この嬢は怒っているのだろう…)
目の前で自分に罵声を浴びせる嬢を、アクビしながら見つめる
「
「行けるわ…ドライバーはタケルにしてね」
「はいはい…」
「悪いけど…また指名されたから…またね…アナタも呼んでくれる人がいればいいのにね…あっ、薦めておきましょうか?アタシのお客に」
「バカにしないでよ!」
「タケル、ホテル送って」
「あぁ…」
車に乗り込む
助手席でタケルの腕に抱きついて送ってもらう。
「
タケルが
「ん…なんで?あの嬢、人気ないんでしょ…しょうがないわよ…アタシに絡んでもねぇ~」
「でも…」
なにか言いかけたタケルにキスをして言葉を塞ぐ。
「タケル…好きよ…ずっと好き…ずっと一緒にいる」
「うん…俺も好きだよ…ずっと一緒に居たい…」
ホテルに着くとキスをして、手を振りながら部屋に向かった。
(ずっと一緒…永遠か…)
タケルは車をホテルの横に停車させ、タバコを吹かして空に吐きだした。
ジッポをカキン…カキンと指で弾きながら、
店では部屋掃除、
別に専属というわけではないのだが…暗黙で
子供のように機嫌の波が激しい
それが、他の嬢の反感を買うのだが…。
(こんな日は、いつまでも続かない…休憩時間と同じだ…短い休息…)
アイツらから追われている自分には…永遠なんて…。
いつか
(見つかる前に…)
Peridot…『美しい黄緑色に発色する、8月の誕生石。和名はオリーブを意味する、かんらん石、石言葉は信じる心』
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