無題



彼女は眠いんだ。

部屋についた彼女は、着替えると言って、部屋着に着替え、化粧を落として戻ってきた。


「寝ていいよ。電車動いたら、俺、勝手に帰ってるし。ごめんね、気を使わせちゃって。眠いよね。」


そういってからここに来たことにひどく後悔した。


この子、全然寝てないって、言ってたよな、、、


彼女は顔に、ハテナマークを浮かべてこっちを見てる。


「寝ないの?」


「え?」


「はい、服、その恰好じゃ、しんどいでしょ?」


そういって、大き目のスエットを渡してくれた。男物といってもいいよね。てゆか、慣れてるのか?こういうことに。よく遊んでるもんね。え、寝るってどう言う意味でこいつは言ってるんだ、、、


焦りと、驚きとでぽかんとした顔の俺を見て、彼女は笑う。


「大丈夫だよ、襲ったりしないよ。ごめんね、逆に気を使わせちゃって。確かにあたし眠いんだ。だから寝よう?明日は何時に起きる?あたしは明日オフなんだ。あ、そのスエット、ちゃんと選択したやつだからね?あたしが着てるの。ちっさかったらごめんね。七瀬君、背、高いもんね。あたしそのスエットすごくおっきんだよ。中にいっぱい着こめると思って買ったんだけど、さすがに大っきくて。」


ペラペラと笑顔で話したあと、「はいっ」といって後ろを向いた。

着替えろということか。


僕は「ありがとう」とだけ言って着替えた。


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