5.遥かなる記憶の冒険
第1話5-1
静寂な一時。
張り詰めた空気の中、緊張した様子の5人をコーヒーを飲みながら笑みを浮かべ、
「そう、硬くならずに、楽にしてくれたまえ」
「は、はぁ・・・」
「コーヒーは、好かんかね?。それとも、別なのを用意すればよかったかな」
「い、いえお構いなく・・・」
ヴァ—シャが、気を遣うベッテルに恐縮する。
楽にとは言っても、勢いで着たとはいえ、まさか何の審査もせずるローマン・ベッテルのデータにアクセス出来た事に少々驚きと、何からは話すか誰から、切り口を開けるか、ヒソヒソとお互いけん制しているのだから、緊張しないというのは無理な話で。
「フフフ、まさかお嬢さん方のような人たちが、この年寄りにあいに来てくれたとは、これならば生前にお会い出来ていたら良かったんだけどね」
「あ、それだと、私たちまだ幼年性でしたよ」
「あ、バカ思え!」
「いたぁ!」
ユラの失礼な言動に、思わずエーファは頭をたたいて静止する。
「あはは、流石にそんなに小さいとまずいな」
「あはは、そ、そですよね」
ベッテルの笑いに、エーファは釣られて一緒に笑い出し、その姿を目にしたユラは頭をさすりながら恨めしそうにしていた。
「バカ・・・」
ヴァ—シャは、小声でエーファをたしなめる。
けれどそのお陰か、張り詰めた空気が和らぎ、5人の緊張がほぐれてくる。
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