4.小さな驚きの出発

第20話4-1

 エーファは、イライラしていた。

腕を組み足を慣らしながら、宇宙港発着ロビー付近で仁王立ちになっている。

「いいかげん、諦めたら?」

傍らで、荷物番しているヴァーシャは、エーファの苛立ちを理解できない訳ではないのだが、この2週間ずっと不機嫌な状態に流石に霹靂していた。

「あー!、だって、そうじゃない。折角、エーヴェルハイトに合えるかと思ったら、門前払いされたのよ」

「それは、そうだけど…」


 2週間前、学校の休みを利用して管理局に保存されているエーヴェルハイトに合うべく、意気揚々と向かったものの、受付で謁見禁止とされてしまったのである。

「何で、謁見禁止なのよ。普通、あれだけの有名人なら、国民に謁見させる義務があるでしょうに」

「まぁ、確かに閲覧禁止と言うのは、おかしな話よね」

「でしょ!」

同調を求めるよう、ヴァーシャに顔を近づけ域を荒くする。

「だからと言って、2週間もイライラしないで欲しいわ。こっちまで、気分が滅入ってしまうわよ」

 エーファの顔を手で押さえつけ、鬱陶しさと、これ以上近づかない様に抑えていた。

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