第9話
「つい突然のことで村に知らせないとと思い走ってしまったのです…いやはや申し訳ない」
「まぁ…こうして村につけたことだしあんまり気にしてないですけど」
突っ込むあたり相当気にしてただろ、というツッコミはしないでいただきたい。
「そうだ!ぼんだいにばいっでもいいでづか」
「問題ございませんぞ。あと焦らず食べてくださいな」
行儀が悪い勇者(笑)だった。何粒か村長の顔に飛んでいる。
モキュモキュ…ゴクン「本題なのですが…どうして俺を勇者扱いするのですか?」
「それは言わずともわかっているかと思ったのですが…先ほども申し上げた通り、勇者様はこの村を救ってくださいました!その件でございます」
「それは理解してます。結果的にそうなりましたが、私のどの行動がこの村を救ったのかが気になるのです」
核心を突いた。今回の最大の疑問だった。
「それはですな」
「あーちょっと待った」
答えようとした村長の発言を制し、シンキングタイムに入る浩人。
(おそらくドラゴンの話だよな…ドラゴンってそもそも俺が倒したんじゃないぞ?もし担ぎ上げられた上、ドラゴンと同等もしくはそれ以上の脅威が来たら何もできなくて赤っ恥をかくことになる)
意外と冷静な勇者(笑)
「もしかして…ドラゴンの件ですかね?それなら倒したのは私ではなく一緒にいた…」
「ドラゴン?なんの話ですかな?」
「え?」
どうやら違うみたいだ。
「じゃあ…一体なぜ…」
「あなた様がこの村を救ってくださった理由は…これですぞ」
村長が懐からスッ、とあるものを出す。
「これは…」
そのある物とは。
「そう、この白い塊ですぞ」
ろうそくだった。
「えええええええええええええ!そっちぃぃぃぃぃぃぃ!?」
ドラゴン関係なかった。
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