第6話
「あぁぁぁぁぁ!ママぁ!!!!」
どうして危機的状況になると母親を呼ぶのだろう。絶対父親のほうが生還率は高いと思う。ちなみに浩人の父親は現在50歳。最近の悩みは健康診断でメタボリックシンドロームと診断されたことだ。
終わった。そう、思わざるを得なかった。
本小説はここで終わりです。いままで閲覧ありがとうございました。
「ステイ!」
遠くから叫ぶ声が聞こえた。
「うわぁぁぁ食べてもおいしくないです!頭もカラッポなのでカニよりも食べごたえ無いですようぁあぁ…あ?え?」
襲ってこなかった。
「なんで…こいつら俺のことをチキン同様かぶりつく勢いだったのに…」
獣たちは浩人のまわりでおすわり状態になっていた。
「奇跡じゃ…神はまだ俺を見放してはいなかった!神か仏かわからないけどありがとう!一生信仰します!」
胸の前で十字架を切り、何枚だー何枚だー、にーまいだー、さんまいだー、とぶつぶつ言ってた。もはや意味が分からない。
「大丈夫かー!ケガはないか!」
野太い声が少しずつ浩人の近くに歩み寄ってきた。
「おお神よ…私はあなたを信じておりました」
浩人は近づく人に土下座し、感謝の意を伝える。
「悪いのう、こいつらはまだ生まれて間もなくてな。教育が行き届いていないのでな。探索させると見つけた生き物すべて咥えてわしのところに持ってくるのでな。」
「は、はぁ…さいですか」
安心したのか、浩人はその場にしりもちをついた。
「よかったぁ…もう少しで昨日食べたドラゴンの気持ちになるところだった」
「ん?ドラゴンとな?」
ふいに男の人が浩人に問う。
「そう、ドラゴンですよ。昨日焼いて食べました。半生でも食べれたのは奇跡に近いと…」
そういうと、その男がいきなり顔を真っ青にして浩人を見る。
「なんてことを…したのじゃ…」
「なんてことって…ドラゴン食べただけ…」
「これは村にただちに報告せねばならん!これ!お前たち!すぐ帰るぞ!」
男は急いで来た道を走って帰った。
「どうしたんだ…あんなに慌てて。
いや、ちょっと待てよ…今村って…待ってぇぇぇ!置いてかないで!お願いだから!!」
浩人が持てる最大の力で立ち上がり、男の走り去った方角へ全力疾走した。
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