第2話

目覚めると俺は7年前になくなったはずの映画館にいた。


たぶんこれは夢だ。うん。


手には映画のチケットを握っている。

「記憶」という題名らしい。

そんな作品は見たこともないし聞いたこともない。

スクリーンでは何かが上映されている。


水遊びをしているようだ。なんか見覚えがある。

紫色のタオル、国旗の描かれたTシャツ。


あっ...これはたぶん俺だ。

たぶんこれは俺の記憶だ。


そう気づいた途端全てが頭に入ってきた。

子供の頃は楽しかったな。友達もいた。

そして親友も...いたっけか。少し記憶が抜けてるみたい。今はなんだろう。


その時だった。急に頭がえぐられるような痛みがはしった。うぅっ。つらい。なんなんだ......。


頭をおさえながらも必死にスクリーンを見てみた。



そこにはいじめられている俺の姿が鮮明に映し出されていた。


そして俺をいじめていたのは幼き日のユウキそのものだった......。

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