case2 人探し❕

いつも同じ時間に出勤して、事務所の掃除をして、ビラを配って時間が着たら帰宅する。こんな毎日を僕は半年ほどしています。


まだ、先代がいた頃は、少しはましな仕事があった。

今は、依頼と言っても、ペット探し、草抜き、見張り番。

うちは、いつから何でも屋になったんだ。

もう、うんざりだ。

「ねー所長ー。おーいって、寝てんのかよ💢。」


タバコのヤニでべたべたな机で一人の中年が寝ています。


「う?何か言ったかかず、あーあ昼飯か?たまには何か頼むか?俺の傲りで。」


「えーっ!!良いんですか?じゃ増田のカツ丼と…。」

「かず、そんな高級品は、駄目でしょう?吉吉亭のラーメンセットにしなさい‼今日は餃子も付けてあげますから。」


「はい、いつものですね。電話します。」そう言ってラーメン屋に電話する僕でした。


暫くして、ドンドンとドアを叩く音がします。


「あー、すいませんいつも、ラーメンはその机の上に置いておいて下さいね。」

そう言ってドアの方を見ると一人のか細い女性が立っていました。


「あのすいません。村沢探偵事務所は、こちらで合っていますか?」


「はい、はい、合っています。」

「って、所長お客さんですよ。」


いつのまにやら所長は、その女性の前に立っています。


「和頼君、お茶を入れてくれるかな?」

「はい、はい。」

「すいません。こちらにおかけ下さい‼挨拶が遅れました。私、ここの所長をしております、村沢滋ともうします。」

そう言って、女性に名刺を渡しました。

名刺なんかあったんだ?

「はい、お茶になります。」

「ありがとう。和頼君。」

いつもの所長じゃ無いみたい。


「では、本題に入りましょう。どうかされましたか?」

「あのー。実は、…。」

「和頼君書記してね。」

「あっはい。どうぞ。」

そう言って、メモを用意しました。


「まず、貴方のおなまえからお聞かせ下さい!」

「あっはい。山本さより(やまもとさより)と申します。歳は23歳で丸亀市に住んでいます。」

「では、ご用件をお聞かせ下さい!」

「実は、兄が2週間前から家に帰って来ないんです。」

「警察には、届けましたか?」

「はい、一様届けましたが、ただの家出だろうと言って、真剣に取り合ってはくれませんでした。」

「届ける事は、届けたんですね。」

「はい。たぶん大丈夫だと思います。」

「最近、お兄さんの身近で変わった事は有りませんでしたか?」

「はい。でもこんな物が兄の机の上に置いてありました。」

そう言って、スマホの写メに撮った画面を見せてくれました。


「これはマスコットですか?」

「そうみたいです。でも、兄の趣味には、ほど遠いような?」

「そうですか。この写真頂いても宜しいでしょうか?」

「はい。」

「では、SDカードをお借りします。」

そう言って、その女性のスマホからSDカードを抜いてパソコンに入れました。


「有り難うございました。」

「後、現物が有れば確認したいのですが。」

「すいません。現物は、警察の方に預けたままです。」

「そうですか。どちらの警察署ですか?」

「丸亀北警察署です。」

「分かりました。こちらで聞いて見ます。」

丸亀北警察署には、以前働いていたときの同僚がいます。


「お兄さんのお名前と何か特徴が有れば、分かる範囲で結構ですので、教えて貰えますか?」


「はい。名前は山本尊(やまもとたける)と申します。歳は、わたしより4つ上の27歳になります。特徴は、特にありませんが、身長は、176㎝で中肉中背、鼻の横にホクロが有ります。後、茶色いメガネをかけていました。」


「有り難うございました。最後に連絡先をお教え願いますか?」

「住所は、丸亀市御供所町3126-5です。後、電話番号は、スマホで09017○○○○41になります。」


「どうですか?受けて頂けますか?」

「喜んで、お受け致します。先に前金で10万ほど頂きますが宜しいでしょうか?後、捜査終了時の費用はその時にお伝えします。」

「今、五万しか持ち合わせが無いので、明日、残りの五万を持って来ます。」

「結構ですよ。」

そう言って、五万円を彼女から受けとりました。

「和頼君、領収書!!」

「はい。」

速やかに金額を記入して内の判を押して彼女に渡しました。

「明日、残りの五万をもって来て頂いた時点で捜査開始になります。後、随時情報が入ったら連絡をするパターンと完全に捜査か 終了した時に連絡する二パターンが有りますが、どうされますか?」

「随時連絡する方でお願いします。」

「分かりました。では、そうします。では、以上になります。明日必ず残りの費用を持って来てくださいね。」

「分かりました。どうか、兄を一日も早く見つけてください‼今日は、捜査を受けてくれてありがとうございました。」

「いえいえ。こちらこそ、最善の努力でお兄さんを見つけて見せます。」

「では、明日、まいります。」

そう言って、その女性は、階段を降りて行きました。


その女性とすれ違いにラーメン屋がおかもちを持って来ました。

「毎度、1290円になります。食べ終わった食器はこのおかもちごとドアの外に置いておいてくれればもって帰りますので。」


所長は、自分の財布から言われた金額をはらうと、かなり御腹がすいていたのか、すぐ様にラーメンをすすりました。


「所長ー。良かったですね。久々のまともな仕事が入って。いつものラーメンもより美味しく感じますよ。」


「そうか?そりゃ良かった。所でかず、この依頼どう思う。」

「まだ分かりませんが、何だか嫌な予感がするのですが。」


「だろ?俺も一筋縄では行かないような気がするよ。それに、あの奇妙な人形❔少し気味悪い。」

「今から、元同僚に現物を見せてもらって来るから、かずは、休養したら今日は帰っていいぜ。明日から忙しくなるだろから家に帰って早めに寝てくれよ。」


「分かりました。そうさせていただきます。」


話が終わると、所長は、階段を降りて行きました。


久しぶりのまともな仕事、良かったです。


でも、まさかとんでもない事件に発展的するとは、まだ、誰も知る由がなかったのです‼

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