第18話 遺伝子操作



「血!? ですか!?」



「そう。あなたたち二人の血。

まぁ正確に言うとね、めぐみんとダクネスの遺伝子をね。分けて欲しいの。」


「「遺伝子!?」」



「そう遺伝子。あなたたち二人がお父様やお母様、お祖父様やお祖母様、そのまた前のご先祖様から受け継いで来た、大切な大切な情報よ。

それはあなたたちの血や肉体すべてに含まれていて、その遺伝子はひとりひとりすべて違うの。

そのあなたたちの遺伝子を、この娘にも分けて欲しいの。」


「遺伝子…私たちの…情報…」


ダクネスはなんだか解らない様にずっとぶつくさとアクアの言った言葉を繰り返しているが

私は何となく意味が解った。

解ったが、それ故に疑念が…。


「何となく理解しました。

ですが、もしもそうするとすればその娘は、純粋なアクアとカズマの娘ではなくなるのではないですか?」


アクアはずっと微笑みながら答える。


「そうなるわね。

でもねめぐみん。私はそうしたいの。

カズマもそれを心から望んでいるの。

この娘が出来たのは、めぐみんとダクネスが居てくれたからだって。

前にめぐみんには言ったそうね?

めぐみんとダクネスが居て

アクアが居て初めて何もかもが始まるんだって。」


「そう…ですが……。

でも

あなたは純粋にあなたとカズマだけの遺伝子の子供を見たくないのですか?」


それにアクアはゆっくりと

真っ直ぐに答える。


「私は…ね。


めぐみんやダクネスが居ないと何も出来ないの。したくないの。

カズマが私と同じだけあなたたちを愛しているのをちゃんと知っています。

すごく不思議なんだけど、それが嬉しくて嬉しくてたまらないの。

なんて説明したら良いのかわからないけど……

我が身が愛される事が三倍に増える様な不思議な感覚…。

だから、この娘はめぐみんに心から愛されて欲しい。

ダクネスに心から愛されて欲しいの。」


「それは私にも解る。

カズマがアクアやめぐみんを抱いているのを見ても、この愛情は不思議と揺らがないのだ。

むしろ、二人をもっと愛して欲しいとさえ思っていた。」


ダクネスは長年の憑き物がおちたような晴れやかな顔でそう告白した。


「私だって同じですよ。

4Pは嫌ですが、アクアやダクネスとカズマがヤっててもなんだか怒る気がしませんね。むしろ後で私だって襲ってやります。」


三人で声をあげて笑った。




****************




「じゃあ。二人ともOKね?」



「もちろんです。紅魔族最強の生娘の生き血。いくらでも与えて下さい!」


「なんだかヴァンパイアみたいね!?」


「私も良いぞアクア。

この娘が私に似て襲われやすい体質になっても全力で護る。」


「それもちょっと嫌ですよ!?」



そういうとアクアは笑い

私たち二人に向き直り言った。


「これから禁忌とされる術式を使います。

本来ならこれは主神さましか行えない術式なの。

人の遺伝子を操作するのは本来なら許されない行為ですので。


これからあなたたち二人の卵子を取りだし、私の中の芽生えたばかりの受精卵に融合させます。

その際に……。」


少し顔を紅く染めたアクアが

何やら言い淀む。


「どうしました?大丈夫ですから言って下さいよ!?」


「そうだアクア。私たちの心は決まっている。気にせずやってしまえ。」


「…分かった…。それじゃぁ遠慮なく…。ごめんね。私なんかで…。」


わけのわからないことを言ったアクアが私たちの前に立ち――


私のローブの中へ

ダクネスのスカートの中へ

アクアはそれぞれ手を入れて

その手はパンツをも越えて…



――途端に――頭の中が急激に真っ白になるほどの快感が私たちを襲った―



****************



「ちょっ ちょっと!? ぁん! アクア!?…ぁん―なっ―ぁんっ―なんで…すか!?―ぁん―ぁん―あぁあん―これは!?―ぁんっぁんっあぁあん…」


腰が砕けそうなほど気持ちいい。

まるで子宮にもうひとつ心臓があるように熱く脈動している。


アクアの手に両手でしがみつき爪を立てながらこの襲い来る快感の波に耐える。


両足はガクガクして

身体は何度も痙攣し

もぅ立っていられない。


柔らかで温かくて心地のいい得体の知れないものが私の中を擦る度に、私の中から何か暖かいものが淫靡な音を立てて溢れ出すのが分かる。

音を聞くだけでも身体が蕩けそうに気持ちいい。


―まさか私の愛液ですか…!?―


「めぐみん。ダクネス。これはね。

私と同じ感覚。

初めてカズマと結ばれた時の。

私と同じ感覚に、あなたたち二人の感覚を同期させてるの。

だからめぐみんにはめぐみんの、ダクネスにはダクネスの感覚の、カズマとの初体験を味わっているのよ。

私と同じでもあなたたち二人の個人差があるわ。

ダクネスはもうイっちゃってるしね。

このあなたたちの中に出入りしてる柔らかな暖かいものは、カズマのよ。

このまま好きな様にイって、純粋に愛情の詰まった綺麗な卵子を私に預けてちょうだいね。」



カズマの…もの……



「あぁあ―ぁんっ―ぁんっ―ぁん―ぁん―はん―はっ―はっぁん―ぁんっ―あぁあ―ぁん…」


カズマが私の中に居る…

それだけでもぅ蕩けそうに熱く愛おしい…


温かいものが私を貫く度に

堪えきれない声が漏れる。


「ぁん―ぁん―カズマ―あぁぁんっ―カ…ぁん―カズ―ぁんあぁあ―カズマ―ぁん―ぁん―あぁぁぁ―ぁん―イ…ぁん―嫌っ―いや―ぁんっ―やっ―ぁん―あぁあん―いやぁ―ぁん――ぁん―…なん…か―あぁぁぁ―くるの―あぁあぁん―ぁん―ぁんぁん―あぁぁぁくる…あぁぁぁ―ぁん………」


瞬間

私の身体は波打つ様に痙攣し

何度も何度も愛液が吹き出し

大きく開いた口からはよだれが溢れ

アクアの腕に血が滲むほどしがみつき

そして絶頂を迎えた。


アクアに抱き止められ、ソファに寝かされる。


隣を見れば

ダクネスも息絶え絶えに四肢をソファに投げ出している。


これが心から愛するものとの性交なのか……。

思い出すだけで子宮が熱くなる。

背筋が寒くなるほど

怖すぎる気持ちよさだ。


―ハマったらどうしよう…。

我慢出来るのだろうか…?



ひとりでその感覚を反芻していると、アクアがそれを見透かした様に言った。


「私は良いのよ?めぐみん。

あなたはまだ実際には処女です。

でも、カズマで良いのなら、あなたのすべてをカズマにあげて欲しい。…

私はめぐみんもダクネスも愛してるわ。心から。」


「アクア…。」


今の真っ白な頭では

その言葉で精一杯だった。



****************





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