第9話 世界最強パーティー再集結
「わっっ‼ おまっ めあねすっ‼ なんで素っ裸なんだよ!?」
目の前に立つ青髪の美少女は不敵な笑顔で、その一糸まとわぬ美裸をなんら隠そうともせずカズマに振り向いた。
「だってしょーがないでしょー。この
「なっ なっ なっ なんですとーっ!? 父さんと母さんが居ない間に何してくれてんだ!? 不良になってたのか!?」
カズマがドロドロに動揺しながらめあねすに詰め寄ろうとすると、それを黙ってサッと押し止めるめぐみん。
そして静かに、おだやかな笑顔でゆっくりと一言一言句切りながら
「めあねす? なんで、お外で、そんな格好を、しているのですか!?」
語尾は酷く殺気だっていたが。
それを聞いた目の前のめあねすの身体がピクッと動いた。
「め、めぐみん。この
さすが紅魔族最強の母親。
そしてそんなカズマとめぐみんを見渡して、改めて二人に向き合い
「カズマ、めぐみん、ただいま♪」
と告げると
それで二人はすべてを理解したように言った。
「「おかえり。アクア」」
****************
「結局何なんだコイツら? 霧…なのか? なんでめあねすがこんなとこで、こんなヤツと居たんだ??」
「クエストよ。めあねすがソロで初クエストとして霧の調査を受けてここに来たの。でも、コイツらに捕まって蹂躙されてしまって…。まぁでも詳しくはまた本人から聞いてちょうだい。私はめあねすが意識をなくしてる間しか活動出来ないからあまり時間が無いの」
カズマも
アクアが居なくなってからのこの15年間積もりに積もった色々なこと、言ってやりたいことや、そんな色々なことを飲み込んで、目の前のめあ(ねすア)クアに向き直した。
「それでコイツら何なんだ? どんな攻撃をしてくるんだ?ってか魔法を使ったりするのか?」
それにめあクアは、
「うーん…私にもよく分かんないんだけど、どうやら悪魔属性みたいだからさっき強力な悪魔払いブチこんでみたら、そのときは消えるけど、すぐに再生しちゃうのよね。これだけ広範囲だとちょっとお手上げかも」
「退魔魔法だけか? 試したのは?」
「そうよ。おそらく私の魔法で効果があるのってそれくらいしか…」
「いんや。そーでもないぜ」
そう言ってカズマは不敵に、15年前の頃ような笑顔を見せた。
****************
しばらくすると
馬の蹄の音がしてすぐに、漆黒のフルアーマーが見えた。
ダクネスだ。
彼女はひらりと馬から飛び降りると、周囲を警戒するでもなく真っ直ぐにカズマの前まで来た。
「遅くなってすまない。状況は……―――っっっな?なんだっ!? めあねすっ‼ 素っ裸で!? ふっ 服はどうしたっ!? アーマーは!? だっ大丈夫か!?」
カズマが一通り事情を手短に説明すると
めあクアがダクネスの元に行き両手を取って
「ダクネスただいま♪ 相変わらずね」
とにっこり微笑んだ。
ダクネスも
「よく戻ってくれたな。アクア…」
と目いっぱいに涙を溜めながら抱きついた。
****************
ダンジョンに行ってたばかりの荷物の中から、めあクアが着れそうな服を探したけれど、めぐみんの服じゃぁ胸がキツいので、シーツをとりあえず女神風に巻いただけのめあクアが楽しそうに言ってくる。
「それでカズマ、何か策を思いついたのね?」
あれから15年も経ったにも関わらず、相も変わらずこいつらは三人して期待いっぱいに目を輝かせながら俺を見てる。
ああそうさ。思いついてるさ。
こんな霧の悪魔ごとき俺ら4人の敵じゃないだろ?
俺は三人を見渡してお決まりのあのセリフをまた口にする。
「しょうがねぇなぁぁぁ‼ 行くぞ‼」
と霧の悪魔に向かって駆け出し、三人がそれにさも楽しげに
「「「はいっ」」」
と続いた。
****************
「ダクネスは正面から突っ込んで出来るだけ霧を一ヶ所に集めろ‼ アクアはダクネスに支援魔法! 状態異常回避、防御力、魔法抵抗力、スピード、幸運、ともにダブルでアップだ‼」
「「了解‼」」
「めぐみんは後ろの大樹まで下がって詠唱してろ‼ アレを使うぞ‼」
「アレですかっ!? あっアレを う うっ 撃っちゃっていいのですかっ!?」
「実戦で使ったことないだろ? 撃たせてやるよ。信じてるぜ。世界最強の大魔導師さん!!」
その言葉に目尻に涙を溜め、紅い瞳をひときわ紅く輝かせて
「愛していますカズマ。 あなたはいつでも私の一番の望みです」
そう言うとめぐみんは、大樹に背を預け、目に見えて大気が振動するほどの膨大な紅魔の魔力を練り上げ、精度を引き上げにかかる。
──これでよしっと。
あとは最後の鬼札。
めあクアの規格外な―それこそ…
∞の可能性を信じて―─
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