第29話 テイムとユニーク個体
アランがアーティ達とスライムの所に集まっている時、グィーノとリーベが話していた。
「グィーノ様、あのスライムは...」
リーベの言葉を遮りグィーノは、
「...気配がまったく無かった」
「私も魔力を感知出来ませんでした」
得体の知れないスライムに考えを寄せていると、突然スライムが飛び跳ね始めた。
「なっ!」
スライムであるが為に油断していたのが悪かったのかいつもより反応が遅れたグィーノだったが、その誤差は全くないと言っても良いくらいだった。
「大丈夫ですか」
「大丈夫だよ。ただ跳ねてるだけだよ」
スライムを見ると確かに跳ねているだけだった。
跳ね終わったスライムがアランにまとわり付いているのを見て、
「そうですか、しかし随分とアラン様に懐きましたな」
グィーノは、本当に驚いていた。魔物が懐くことはあってもモンスターテイムなどのスキルを使うか、長い時間を掛けて信頼関係を築く、などの方法しか無いのだ。
「アランはモンスターテイムのスキルを持ってるのかもね?」
「だとしたら仕事に困る事はありませんな」
こんな事を話している間にもグィーノは、スライムについて考えていた。
(気配も感じず、魔力も感知出来ない。気配消去と魔力消去を持っているな。普通のスライムはこんなスキルを持っていない。と、なるとやはりユニーク個体か、敵対もしていない。しかし...)
考えても答えには行き着かないまま時間だけが過ぎていった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(あ〜〜)
すっかり時間が経ち、だらけきったアランにアーティは、
「そろそろ帰る時間だよ、行くよ?」
(まじかよ...仕方ないか)
と諦めるとスライムは、飛び跳ねながら森の方へ帰って行った。
(全く、俺が成長していれば連れて行きたかった!)
明らかに、落ち込んで見えるアランにアーティは、
「そんなにスライムが気に入ったのか、でもダメだよ。テイムとかしたりしないと連れて歩けないんだよ」
(モンスターテイムか、持ってないなぁ)
アランの中では、今現在、欲しいスキルのダントツ1位になった。
馬車まで連れて行かれるとリーベが準備をして待っていた。
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馬車の中でジェニーは、アーティとリズと話していた。
村に近づくにつれ話は別れる話になっていた。
「今日は本当にありがとうございました」
「口調が硬いわよジェニー。私も楽しかったからまた一緒に遊びましょ!」
「はい。お願いします。リズ様」
アーティは、この世の終わりみたいな顔になっていた。
「アーティ様も今日はありがとうございました」
グィネヴィアに言われるとアーティは、
「そうかい...そうだ!今度は家においでよ」
「招待されたならば行きましょう」
「それは良かった」
などと話していると村に近づいて来た。
「...?」
「どうしたのグィーノ?首をかしげて」
その問いかけにグィーノは、
「いえ、なんと言うか」
村に着いたが異様な雰囲気に包まれていた。
「な、なんで?」
グィネヴィアは、膝から崩れ落ちた。
村の家は破壊され誰1人いなくなっていた。
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