第27話 ジェニーと魔物
リムニ湖に向かう途中、アーティはグィネヴィアに話しかけようとしている様だが全く話しかけられなかった。
意を決して話しかけようとすると、
「グィネ...」
「グィネヴィアちゃん!お話しよう」
「はい、わかりました。道案内しながらになりますが失礼します。エリザベス様」
「敬語じゃなくていいよ?それと、リズって呼んで」
「敬語はご勘弁を、リズ様。私のことはジェニーと呼んで下さい」
「まあそれでいいよ、よろしくジェニー!」
リズに持って行かれてしまった。アーティはその中に入りづらいだろう。
(...奥手なんだな、アーティ)
アーティは、誰が見ても落ち込んでると分かる雰囲気を出していた。それを見てグィネヴィアは、
「アーサー様、大丈夫ですか?やはり風邪なのでは?」
「あ...いや、大丈夫。ちょっと酔ったみたいだ」
アーティは、実際に少し酔っているのか青白い顔をしていた。
「そうでしたか、それならお話をしましょう!気が紛れて少しは良くなりますよ」
「そうだね、ありがとう。グィネヴィア」
「大したことありません。あと、私のことはジェニーと呼んで下さい」
「わかったよ、ジェニー。僕はアーティで構わないよ」
「わかりました、アーティ様」
グィネヴィアに話しかけられるとアーティは、とても嬉しそうにしていた。酔いも良くなった様だった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「もう直ぐ着きますよ」
グィネヴィアがそう言うと湖が見えてきた。
(うわ〜!綺麗ですね!)
(そうだな、ここまでとは思わなかった)
リムニ湖は青く底まで見える澄んだ湖だった。そして、その周りには花が一面に咲き誇っていた。
「私達は食事の仕度をしていますので、あまり遠くまで行かないで下さいね」
「わかってるよ」
「行ってきます!行こう、ジェニー」
「すいませんリズ様。私も仕度を...」
グィネヴィアがそこまで言うと、リーベが、
「大丈夫ですよ、アーティ様とリズ様と行ってください」
グィネヴィアは、驚いた様だったが直ぐに嬉しそうな顔になり、
「本当ですか?ありがとうございます、リーベ様」
そう言ってお辞儀をしてアーティ達と行ってしまった。
(あれ?俺たちは放置か)
(その様ですね)
(食事の仕度が終わってからかな?)
食事の仕度を終えたリーベは、グィーノに
「グィーノ様、呼んできてください」
「わかりました」
そう言うと消えてしまった。
(いつ見てもすごいな)
しばらくするとアーティ達と一緒に帰って来た。そして食事をしていると。
『アラン、魔物が一匹やって来ています』
(なに?魔物だって?どんな奴だ?)
初めて魔物を見れるかもしれないことに興奮を隠し切れないアランに
『それがですね、もう目の前に居るんですよ』
そう言われたアランは、前を見るとそこには青いツルッとした小さい魔物がいた。
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