第24話 絵本と両親不在
午後は少しだけ勉強をするようだ、主に数学的なものだったのであまり興味を示していなかったからか、リーベに絵本を読んでもらっていた。
「...その後、2人を見た者は誰もいない」
今読んでもらっていたのは、兄と化け物になった妹の話だった。
(前から気になってたんだが、絵本にしては内容暗くないか?)
(すいません、アランがいた世界の絵本がどの様なものか分からないのでなんとも言えません)
(そうだったな、例えば...)
リーベには悪いが定番の絵本の話をし始めた。
(色々あるんですね、私はシンデレラが一番好きです)
(そうなんだ、どこら辺が好き?)
(内緒ですよ)
(そうか、無理には聞かないさ)
(他には、どんな話があるんですか?)
(そうだな...)
しばらく話しているとアーティ達の勉強も終わった様だった。
「疲れたな」
「癒して〜」
リズはアランとウトウトしていたエリンに抱きついてきた。
「はー、なんでこんなに可愛いのー!」
若干引きながら、
(重度のブラコン、シスコンだな)
(ブラコン、シスコンって何ですか?)
(兄弟、姉妹が大好きな人のこと)
(じゃあ私もですね、メーティスもグラピウスも大好きですから)
アワリティアの大好き発言に反応したのか、
(私も大好きだよー!)
グラピウスも会話に参加してきた。
『もちろん私も大好きですよ』
アランは3姉妹で話し始めてしまったのでしばらくそっとおく事にした。
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ユリウスとアリスが帰ってきて夕食が済んだ後。
「いきなりで悪いが明日から俺とアリスで1ヶ月ほど出かけることになった」
ユリウスが申し訳なさそうに言った。
「また行くのー?」
「ごめんね、私もあなた達と居たいんだけど、私じゃなきゃ出来ないの」
「大丈夫、わかってるよ。頑張ってね!」
「ありがとう」
アリスが子供達を抱きしめた。
「グィーノ、リーベ、悪いが頼んだ」
「「わかりました」」
するとアリスが、
「それじゃあ、いつもの様にみんなで一緒に寝ましょうか」
その日の夜は家族6人ででっかいベッドで寝た。
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「行ってくる」
「体調に気をつけてね」
次の日の朝にユリウスとアリスは馬車に乗って出かけた。
アーティとリズは馬車が見えなくなってから少し泣いていた様に見えた。
「よーし、じゃあ今日も鍛錬頑張らないと」
(少し元気無いな、まあ仕方ないか)
その日からたまに、鍛錬を見たりする様になった。少しずつだか着実に強くなっているのはわかった。
そして、ユリウスとアリスが出かけてから14日目にそれは起きた。
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