第23話 使用人とスキルの再確認⑤

しばらく休憩した後、鍛錬がまた始まった。


「それでは魔法を使いましょう」


(始まるな、アーティ達の属性はなんだろうな?)


まずはリズがやる様だ。


(リズはさっきは水出したけど他にあるのか?)


「どこに撃てばいい?」


「それではここに」


リーベがそう言うと地面から土の塊が出てきた。


(あ!土魔法かな?)


(その様ですね、しかも無詠唱です)


(もしかしてリーベも強い?)


(おそらくは)


自分達の異常さに気付く可能性が高くなった。


(この世界で強い人身近に多くないか?)


『良いじゃないですか!強い人が多ければ、アラン達も強くなれますよ』


(まあ、それもそうだな)


気を取り直してエリンの魔法を見ることにした。


「じゃあ行くよー。水よ、姿を現し踊れ。【ミニウォーターボール】」


さっきと同じ魔法だった。


(この魔法は威力より数、って感じか)


エリンは、ミニウォーターボールを全弾命中させた。するとリーベは、


「水は良く出来てますね。風はどうですか?」


(風か、どんなだろうな?)


「じゃ風いきまーす。風よ、集いて行け【ウィンドボール】」


土の塊に見えない物が当たった様だ。


(え?何も見えなかったんだけど?)


『風ですからね。威力がかなり高くないと見えないみたいです。』


(なるほどな、いろいろ使えそうだな)


「良いですね。リズ様、休憩していて下さい。次はアーティ様、どうぞ」


「よーし、やるぞ!」


「がんばってね」


次はアーティの様だ。


「どうぞアーティ様」


「行くぞー、火よ、集いて行け。【ファイアボール】」


土の塊にぶつかり表面が少し焦げた。


(おー!火だ、やっぱり威力高そうだな)


「はい、良いですね。威力の調節も出来てますし、それでは次を」


「氷だね、氷よ、姿を現し踊れ。【ミニアイスボール】」


リズのミニウォーターボールの氷版だった。突き刺さってる分殺傷力は高いだろう。


「それでは今日はここまでにしましょう。お疲れ様でした」


終わった様だ。


(アーティが身体強化、火、氷が使えて、リズが身体強化、水、風が使えるんだな)


これを見る限り家族で使える属性は受け継がれない様だ。


(あれ?そういえば叡智メーティス、俺達って基本属性の魔法も使えないんだっけ?)


『いえ、素質があって練習を重ねれば使える様になりますよ』


(そうだったな、でもなー、今やってる事多いからまだ良いかな?)


鍛錬が終わって昼食を食べた後は昼寝の時間だ。いつもなら、魔法やスキルの練習をするのだが。


「リーベ、一緒に寝ても良いかな?」


「お願い〜」


必死でお願いしてるアーティ達に根負けしたようでリーベは、


「仕方ないですね。私も見てますが寝返りで下敷きにしない様にしてくださいね」


「「わかった!ありがとう」」


こうして、色々試したい事があったが出来なくなってしまった。


(今日は完全に休みだな)


(たまにはいいじゃないですか)


(そうだな、ゆっくりするか)


エリンにいたっては既に寝ていた。


(それじゃおやすみ)


(おやすみなさい)

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