第22話 使用人とスキルの再確認④

「じゃあ行くよ!」


リズがグィーノに向かって行くが、アーティより速くない。


(リズは何をするんだろうな?)


(身体的にはアーティよりは低いと思いますが...)


先ほどのアーティの様に全て捌かれている。


「リズ様、そろそろ良いですよ」


(お!やっぱり何かあるんだな!)


リズは何やら詠唱を始めた。


「水よ、姿を現し踊れ。【ミニウォーターボール】」


すると、小さい水の玉が10個ほどリズの周りに出てきた。


(あれが基本属性魔法か!)


その玉を飛ばしながらグィーノに斬りかかった。あまり速くはないが数が多い。流石に当たるかと思われたが。


(マジか...)


(当たらないですね...)


全ての水の玉を斬っている様だった。そこにリズが行くが、水の玉が消えてしまった。


「あ!」


その瞬間エリンの木剣は、弾き飛ばされていた。


「リズ様、その魔法は中々良いですが身体を動かしながら維持できる様にしましょう」


「あー!また駄目だったか...」


リズががっかりしながら戻って来た。グィーノは、


「お二人共、どんどん強くなっていきますな」


アーティは剣術と身体強化、リズは魔法が得意な様だった。


(この2人前衛後衛とバランスが良いな)


長い休憩に入る様だ。紅茶やお菓子がある。


(私もお菓子食べたいなぁ)


エリンがそんな事を目で表していると。


「エリン様も食べますか?どうぞ」


リーベがお菓子を小さくしてエリンに食べさせた。見た感じクッキーだ。


(美味しいけど、甘さが足りないかな?)


アランも食べさせてもらった。


(確かに甘さがな、やっぱり高いのか?)


『はい、甘味は貴重な様です』


(そうか、まあ今考えてもな。想像魔法もあるし)


リーベに食べさせてもらっていると、グィーノが。


「リーベ、そろそろ時間かな?」


「そうですね、アーティ様、エリン様」


「そうだね」


紅茶とクッキーを片付けた。


(何すんだ?)


「それじゃあまた行ってくるよ」


「見ててね〜」


リーベと共に少し離れた場所に移動した。


「それでは、まずは身体強化から始めましょう」


主に魔力を使った鍛錬の様だ。


「魔力を体に巡らせて維持しましょう」


アーティは、すぐにできた。エリンは、少し苦戦している様だ。


「アーティ様は良いですね。エリン様、もう少し体の端っこまで澄み渡る様にしましょう」


「うぅ、難しい...」


「コツさえ掴めばできる様になるよ。がんばれエリン」


少し経つとエリンも出来た。


「遅い...」


「いやいや、凄いよ!前まで出来なかったじゃないか?」


「そうです、上達しましたね」


「そうかなぁ?よし!がんばる」


「あ!エリン様、魔力を込めすぎです!」


「...あれ?」


魔力が少なくなってしまった様だ。


「エリン、大丈夫?」


「ははは...やり過ぎちゃった」


「仕方ないですね、また休憩にしましょう」


またしばらく休憩にするのだった。

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