第15話 アンヴァンとミカニ

「王様がいきなり来てびっくりしたよ」


「そうね。私も驚いたわ」


王様が帰ってからユリウスとアリスが話していた。この時アランとエリンは特訓をして寝ていた。


「しかし、黒眼だと幼い間は外に出かけづらいな。対策は練ってるけどまだ成果が...」


すると、


「ユリウス様、研究所から連絡がありました。完成したようです」


「そうか!いいタイミングだな」


「それから、アラン様とエリン様も連れて来て欲しいとのことです」


「アランとエリンの初めてのお出かけね!」


「それでは明日行くと連絡しておいてくれ」


「かしこまりました」





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





「さあ、行くぞ」


朝食を食べた後、ユリウス達につられ馬車に乗りこんだ。


(どこ行くんだ?)


(美味しいもの食べに行くのかな?)


(...どうだろうな)


しばらくすると、


(山が見えてきましたね)


(ピクニックかな?)


(アーティとリズもいるしな、否定は出来ないな)


(ワクワクだね!エリン!)


アーティとリズも楽しみそうだった。


「お!見えてきたぞ」


(もうそろそろ着くみたいだな)


目的地に着き、周りに大きい岩以外何もなかった。


(何もないな)


(ピクニック?ピクニック?)


確かに風景は良いが、などと考えていると突如、小さい地震のような揺れが襲ってきた。


(なんだ!?)


『近くで爆発のようなものがあったようです』


「相変わらずだな。やはり家から離してよかったよ」


すると、何もないように見えた岩に亀裂が入りドアのように開き、紫眼でボサボサな紫髪のいかにもヤバイ雰囲気の男が出てきた。


「ようこそいらっしゃった」


「派手な出迎えだな」


「いやー、少し配合する量を間違えてしまいましてね」


「まあ良いさ」


すると、その男がユリウスとアリスに抱かれているアラン達に近寄ってきて。


「なるほど、この子達か。初めまして、アンヴァン・インベンシオンだ。はは、言ってもわからないよな」


そう言ってジーっと見てきた、


「ほうほう、かなり優秀だね」


「見たのか?」


(見た?ステータス見られたのか?)


『いえ、鑑定阻害が発動してないので鑑定はされていません』


ステータスを見られてないことに安心した。


(じゃあ一体何を見たんだ?)


アーティが、


「またユニークスキル使ったの?」


「ああ、見識だね。使ったよ」


「だいたい把握するスキルか、ビミョーな使い所だよな」


「良いじゃないか、ステータス見てる訳じゃないし。まあ、とりあえず中に入りたまえ」


そう言って中に入らされた。





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





中に入ると地下に続く階段があった。降りていくと長い廊下のような所に着いた。


(明るいな、ここも明かりの魔法具があるんだな)


やがて、応接室のような部屋に入った。


「とりあえず飲み物だな。ミカー?飲み物を持ってきてくれ」


しばらくすると、お茶などを持った女の子が入ってきた。


「遅くなってすいません」


「いや、気にするな。いきなりだったからな」


その子は、16〜17歳くらいの見た目で白髪黒眼だった。


(黒眼?珍しいんじゃないのか?)


疑問に思っていると、


「ヴァン、その子もしかして?」


「ああ、行ってなかったな。最近治ったんだ」


(治った?病気だったのか?)


「お父さん、あのお姉さん病気だったんですか?」


リズがアランと同じ考えを口にした、


「いや、そうゆう訳じゃないんだかな」


ユリウスが言いづらそうにしていると、


「私が説明しよう。この子、ミカニは...」


(なんだろうな?)


アンヴァンが一瞬間をとった後に、


「私とユリウスが昔、ダンジョンで見つけた、機械人形(オートマタ)だよ」

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