第6話 おじいちゃんとおばあちゃん(母方)

連れて行かれたのは玄関だった。アーサーとエリザベスもいた。


「グィーノ、お義父さん達は来たか?」


と、言われたのは黒髪の壮年くらいの男性だった。


「はい、ただいま到着いたしました」


「そうか、出迎えの準備はできてるか?」


「もちろんできています」


見ると総勢20人の使用人達が並んでいた。


(気づかなかったけどこんなに居たんだな。ん?あれが魔族か?)


容姿は人間に近いが白い肌に赤い目、角が見える。


『はい、あれが魔族です』


いきなり叡智メーティスの声が聞こえた。


(いきなり出てきたな)


『質問に答えるためです』


(そういえばさっきスキルで呼び出さなくていい、と言っていたな、だからか?)


『そのための存在なので』


(そんな事ないぞ、まだ他の人と話せないだろうし、俺の話し相手になってくれたりしてくれたら嬉しいんだが?)


『私でよければ』


そう答えた叡智メーティスは、心なしか嬉しそうだった。すると、


『【叡智メーティスLv1】のLvが上がりました』


叡智メーティスの声で聞こえてきた。


(なんだ?)


『私のLvが上がった際に新しく得た能力です。スキルなどのLvが上がるときなどに、自動的に教えるというものですね』


(そうか、地味に使えるな。しかし、なんで叡智メーティスのLvが上がったんだ?)


『わかりません』


(そうなのか)


若干違和感を感じたが気にしない事にする。

そうこうしている間にドアが開いて、


「可愛い孫達はどこだ?」


と言いながら茶髪の少し筋肉質な老けた男と、


「はしゃぎすぎですよパルフ、落ち着きなさい」


黒髪の背の低いさっきの男より若い女が入ってきた。


「何を言っているテリア、可愛い孫が4人だぞ落ち着いてられるか!」


「まあそれもわかりますが、みっともないですよ。孫達も見てますよ」


すると少し元気が無くなった。すると、


「いらっしゃいませ、パルフ様、カルテリア様」


グィーノと他の使用人達が挨拶をした。


「おじいちゃん、おばあちゃん元気でしたか?」


と、アーサー


「元気でしたよ」


「私達も元気だったよー」


と、エリザベス


2人とも懐いているようだ。


「お義父さん、お義母さん、この2人がアランとエリンです」


と、パルフに受け渡された。


「おお、可愛いな。俺に似たかな?」


「何を言っているんですか、アリスとユリウスに似てるんですよ」


少し話をしているとグィーノが、


「続きは食事をしながらはどうでしょうか?」


「そうしましょう」


食事をしながらの雑談を聞いていたが得た情報は


・パルフが軍の指揮官であること

・カルテリアとアリスは魔術師であること

・ユリウスとパルフは貴族であること


と身内の事だけであった。


食事中にエリンの方を見ると、目がやばかった。母乳じゃ足りないんだろう。


その後、2人は泊まって行く事がわかった。


「アーサー、アラン、一緒に風呂に入るか」


と言われ、パルフにアーサーと一緒に風呂場に連れて行かれた。正直きつかった。

エリンはカルテリアと入った。とても孫を持つ人の体だとは思えなかったらしい。


(不思議そうにしてたら教えてくれたんだけど、特に何もしてないんだって)


(マジか...でもパルフの筋肉も衰えを感じなかったな。考えても無駄かな、昨日と今日は色々ありすぎで疲れた)


(魔術操作の練習はお休みですか?)


(いや、それはきちんとやるぞ)


エリンと魔術操作の練習をしてから眠る事にした。


(うーん、地道な作業だ)


(字の練習をしながらやるのはどうでしょう?)


説明によると指を魔力で覆い残すという意識すると、空中に書けるらしい。


(他の人に見えるんじゃ無いか?)


(魔力は対応したスキルが無いと見えないので大丈夫です、アランとエリンは鑑定と叡智メーティスの補助で見えるそうですよ)


(いつわかった?)


(空いた時間に叡智メーティスに聞きました)


(そうか)


と言いながら書いてみると


(魔力を出すよりMP使うな?)


(維持するためにも使っていますからね)


(一文字書けるか怪しいぞ?)


(エリンと字で会話できるように頑張りましょう!)


(出来るようになるまで、どの位かかるかわかんないな)


こんな会話をしながらアランは寝てしまった。




アランが寝た夜に、


「最近のーーの動きはどうですか?」


「活発になってきたぞ」


「なるほど、気を付けないといけませんね」


「他に...」


話は夜に遅くまで続いた。

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