幼年期
第1話 生誕
何かが聞こえてくる。
「...様..産.れました、男の子でございます」
なんて言ってるか分かるのは神が言ったスキルのおかげか。しかし、自然と泣いてしまうのはまだ赤児なので仕方ないと思うが流石に恥ずかしい。
「アリス様、2人目は女の子でございます」
凛の方も泣いているので少しだけ恥ずかしくなくなった。まだ目が見えていないので周りの様子がわからない。
「あぁ、なんて可愛いんでしょう」
最初が乳母さんで今のが母親ってところかな、声を聞くととても安心する。
出産の処理をした後、母親に...まあアレを貰った。今は母親 アリスの腕に抱かれている。名前は会話から判明した。するといきなり扉が開く音がした。
「生まれたのか!...あぁアリスに似て可愛いなぁ、しかも2人も」
なんか声だけでイケメンっぽい。
「あなたにも似てるわよ、ユリウス」
父親の名前はユリウスか、名前までイケメンそうだ。
...親か、前は物心つく前に死んだしな、まあ悲しいとかそんな感情はとっくに過ぎたからな。
「名前は前に男と女の名前を決めたやつだよな?」
「ええ、お兄ちゃんはアラン、妹はエリンね」
「アラン・ヴァールハイトとエリン・ヴァールハイトか、アリスが考えただけあっていい名前だなぁ」
と言いながら頭を撫でられた感じがした。しばらくすると、2人の子供の声が聞こえ来た。
「父さん、この子達が僕達の兄妹ですか?」
「うわー、ぷにぷにしてる〜」
と言いながら頬を触ってきた。
(この2人が俺たちの兄妹か)
とりあえず今の様子だと安心して生活出来そうだな。
「おっと、もうこんな時間か。こんな時に行きたくないが仕方ない。アーティ、リズ、お母さんは疲れてるからあまり負担はかけないようにね」
「「はーい」」
「行ってらっしゃい」
「行ってきます、リーベ頼んだよ」
「はいユリウス様」
(予想だが使用人がいるくらいだから中世くらいの年代かな。苗字もあるみたいだし、貴族か?)
まあ生活はどうにかなりそうなのでやる事を考えてみる。
(うーん、今後の心配は凛と話せないことだが成長するまで待つしかないか。)
そう考えていると、
(幼児だし仕方ないか...すごく眠い)
眠気が襲ってきた、特にやる事も思いつかないのでゆっくりと眠ることにした。
産まれてから1週間が経った、驚くべきことに目が見えるようになった。普通は生後3ヶ月程で色の判別が出来るようになるらしいが、奥行きや距離感も掴めるようになった。
異世界ではこれが普通なのか成長速度が速いのかわからないが、いろいろな情報がわかるようになったのは嬉しい。
まずこの世界の名前がわかった、ウェールトと言う。時間と月日は地球と同じ24時間の365日らしい。 時代は予想通り見た感じは中世くらいのだった。
家族の見た目だが父が金髪で整った顔をした長身イケメンだ。
母が黒の長髪で優しそうな顔の美人であった。
アーティことアーサーは父親似、リズことエリザベスは母親似。
俺と凛、エリンは双子なだけあって似ていた、黒髪で顔はまだ判断がつかないがあの親なのであまり心配はしなくていいだろう。
エリンとは、目が見えるようになってから意思疎通しようとしたがいつも眠そうで何もできていない。相変わらずマイペースだ。
あと、使用人にいわゆる亜人がいた。獣人のメイドやら執事がいるのを見かけた。見たときは、びっくりしたが普通の人間と変わりなかった。
など、いろいろな情報を掴んでいた。
そしてある日、凛と並べられて寝ていたが何かの気配に目を開けると俺と凛の前に2つの光があった、この部屋には今誰もいない。俺が警戒しているといきなり2つの光がそれぞれ2人の身体に入ってきた。
そして頭の中に声が響いてきた。
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