異世界転生は兄妹で

スビラ

転生

第0話 兄妹転生



目を開くと見知らぬ天井があった。


「あ?」


倒れていたらしい。体を起こし周りを確認するが白い空間が広がっている、人も隣に寝ている妹しか見当たらない。


「...マジかよ、ここにいる理由がわからねーとか小説みたいだな」


すると、


「うーん...」


「起きたか、凛」


「んー、おはよう嵐兄...ご飯?」


一番最初に起きた男が 八雲 嵐

次に起きたマイペースな女が八雲 凛

この2人は日本の高校に通う兄妹である。


「お前には周りが見えねーのかな?」


寝ぼけ眼の妹に今の状況を説明する


「つまり...ご飯じゃ無いんだ」


「辿り着いた結論がそれだけかよ⁉︎」


「じゃあ、嵐兄はなんだと思うの?」


「小説とかならこの展開は、か...」


突如、空から派手な服装の奴が音楽とともに降りてきた。


「ハローハローよく来たね〜」


「...神が来る」


「あのチャラそうなのが神様?」


「ひどいね〜、私は神だよ〜」


間延びした声の神に苛つきを抑えながら


「来た覚えは無いんだか?」


「まあ、細かいことはいいじゃ無いか〜、命の恩人だよ?」


「まあ、そんなもんじゃ無いかと思ってたけど」


神の説明によると、2人だけで乗っていたバスに後ろから車に衝突される寸前に時間を止め魂だけ呼び寄せたらしい。


「で、なんで呼んだんだ?」


内心ではなんとなくわかっていることを聞く。


「君たちには〜転生してもらうかこのまま死ぬか選んでもらうよ〜」


「選択肢に転生がある理由は?」


「うーん、そんな契約なんだよね〜、ただ絶対に悪いことは考えてないよ」


最後だけ真面目に言っている。


「契約?」


「詳しくは言えないけど、君たちが死にそうになったらそのまま死ぬか転生するか選んでもらう契約だよ〜」


「転生しなかったら?」


「その時は魂を戻して私の契約は終わりだよ〜」


「その契約だとお前に利点あるか?」


その質問に神は


「もちろんあるよ〜、なんてったって神の仕事を500年変わってくれるんだよ?利点ありすぎで怖いくらいだよ〜」


「それだけ?」


「心外だな、君は神の大変さがわかってないな〜どんだけ大変か代わってもらいたいくらいだよ」


(変な奴ではあるが悪くはなさそうな奴だな)


嵐は別の質問に変える


「契約した奴は」


「もちろん言えないよ〜」


(まあ仕方ないか)


「決めたかい?」


「まあ、実質転生一択だがもっと質問させろ」


「あんまり時間が無いんだけどそれくらいはいいよ〜」


必要な質問はしとかないと大変なことになりそうなのは、小説の知識で知っている。


「どこに転生させられるんだ?」


「日本人が好きそうな剣と魔法の世界だよー」


(あるあるだが面白そうだな)


そう言うのに憧れがあっただけに中々嬉しそうな嵐。


「凛と一緒か?」


「双子だね〜」


(年近くなんのか、まあいいかあんまり変わんないし)


「転生先は人間だよな」


「基本はね〜」


「言語は?」


「こっちでサポートするよ〜」


「どうやって?」


「スキル、と言えばわかるかな?」


「まあ大体は」


(やっぱりあるのか)


「そろそろ決めてくれないかな〜、その代わり質問に答えるサポート役とスキル付けとくからさ」


「わかった、妹と相談して決める」


「さっき言ったように時間が無いから手短にね〜」


「ああ」


と言って凛を見ると


「Zzz...」


「この状況で寝るなんて流石だな...起きろー」


頬を軽く叩きながら起こす。


「うーん...おはよう、ご飯?」


「さっきもやったなこのやりとり」


また状況を説明する。


「なるほど、神様質問!」


「はい?」


いきなりの質問に神は驚くが


「ご飯美味しい?」


「地球より美味しいものはあるよ〜」


「じゃあ行く」


「即決だな、さすが凛だ」


すると嵐は神に


「転生するよ」


「わかったよ〜」


その答えを待ってたかのように目の前に魔法陣らしきものが現れる。


「質問があったらさっき言ったようにサポート役とスキルにお願いね〜、ちなみにスキルは適正に合わせて勝手に付くからね〜、少しは贔屓しておくよ〜」


「わかった、ありがとう」


「神様ありがとー」


「どういたしまして〜、さあさあ魔法陣に乗って〜」


背中を押されて魔法陣に乗る。


「じゃあ、いい人生を〜」


「あんたも、500年の休暇を楽しんでな」


「バイバイ〜」


景色が歪み、意識が遠のく。








こうして異世界に転生し世界に大きな影響を与えることになるのを、この兄妹は知らない。

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