第9話
アイラが風呂に入っている間パソコンでアイラのことについてすこしでも何か記事でもないかとパソコンを触ってみた。でもこれと言って何かあるわけでもなかった。やっぱスロニなんて国無いし。あと、アイラの首とかにある入れ墨?模様?とかも調べてみたけど、からきしだ。
「あがったよー!」
「!!」
いつの間にか後ろに立っていたアイラにビビる。思わず開いていたページを消してしまった。
「わあ!なにそれ!」
「あ、ああ、これはパソコンていうんだ。それはそうと、お風呂どうだった?」
「ちゃんとはいれたよ!おぼれてない!」
「石鹸とかも分かった?」
「うん!」
別に、調べていたことがばれてもいいと思うんだが。なんとなく決まりが悪くて隠した感じになってしまった。
「あーうん。この後俺入って来るけど、一人で待ってられる?」
「んーだいじょぶ!」
「あ、飲み物は置いていくし、んー暇だったら、あ、アイラ本読んだりする?」
とりあえず、読みかけのままリビングに放置していたラノベを渡してみる。いや、子どもにラノベってどうなんだろうか。飲み物を準備しながら続ける。
「これなに?」
そういってアイラが見せてきた先には、漢字があった。朝の話じゃ、文字は一瞬はわからないけど、理解できるようになるんだっけか。でも漢字はあんまり、と。朝聞いた時は、紙に簡単なひらがなを書いて見せただけだったから、漢字は聞いていなかった。
「これは漢字。こっちは読める?」
「うん!」
「おお、平仮名は読めるのか。…アイラ、本好きか?」
「うん!おばあちゃんも、たまにほんよませてくれたの」
「そっか。こっちの本も読みたい?」
「うんできれば…」
「じゃあ、漢字読めるように頑張るかぁ」
「いいの?かんじっておべんきょうでしょ?」
「おう、頑張ってやるのならな。」
「やった!」
おべんきょう!と喜んでいるが、勉強を喜べるなんて、羨ましいな…。
それはそれとして。
「まあ、本読んでるだけでもニュアンスとかで分かるかもだからな…俺の本読んでみる?」
「いいの?わかんないとことかはきいてもいいの?」
「うん、もちろん。俺読んでるの異世界ファンタジーとかだから、まあ、多分楽しいかな?」
ウチ、絵本とか無いし。父親の堅っ苦しくて難しい本ならクソほどあるんだけども。家に置いてある本の中で、一番簡単なのが俺のラノベだと思う。あ、でも押し入れ探したら、昔の俺の絵本とかあるかも。
そんな感じでうんうん頷いていると、アイラが首を傾げていた。
「ウミさん、」
「どうした?」
「…ウミおにーさん?」
「ん゛。……そうだよね。ウミさんってちょっと他人行儀だよな…」
唐突な、おにーさん呼び。こころがちょっときゅってなった。
アイラは必死そうに言葉を話す。
「あのね、わたしには、おにいちゃん、いなかったから。だから…おにーちゃんってよんでもいい?」
おにいちゃん!?子ども…言っちゃなんだが、幼女からおにいちゃんなんてよばれてもいいのか!?!?!?まって、おにいちゃん………おにいちゃん。いいな。まて、我ながら変態臭い。いやいやいや、でもでもでも。
よくね?にーちゃんって。夢…ゲフンゲフン。
「あ、じゃあさ、ほんとにごめんなさいなんだけど、ね?ほら、ウミおにーさんって長いし、言いにくそうじゃん?だから、こう、おにいちゃんとか、にいちゃんってかんじでよろしくお願いしても……?」
チラリ。アイラをみると、そこには純粋1000%のニコニコ顔が。うっ目に眩しい。
「なんであやまるの?いいよ!おにーちゃん!」
かわいい、の一言に尽きます。
やばい、俺、ロリコンだっけ?いやこの可愛さは、誰だってかわいいと思うんだ!
あ、ちなみに服と下着は一緒に買ったので、それを着ていると思う。
「俺が風呂に入ってる間、本読んでるか?」
「はーい!!よめなかったのは、にいちゃんがおふろあがってから、わからなかったやつきいてもいい?」
「うん。」
「わかった!」
流石にラノベは理解しがたいだろうと思い、押入れを探ってみたらやっぱりすこし漢字の使われている絵本が出てきたんでそれをアイラに渡した。大丈夫だろうか。そんなことを考えながら風呂に向かった。
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