第8話
フと目を覚まして周りを見渡すと、自分にもたれかかるように少女が眠っている事に気がついた。部屋の時計で時間を確認すると、17:36。えっ、寝すぎじゃね。昼ごはんの時間を吹っ飛ばしている。
とにかく、ご飯を作ろうと思い、を起こさないようゆっくり動き冷蔵庫の前に立つ。
どうしよう。一人だと飯などなんでもいいのだが、アイラにはちゃんとしたものを食べさせてあげたいというの事もある。
結局、冷凍食品であるピラフに頼ったんだけども。
軽い調理をしながらテレビを見る。ニュースでは殺人やら殺伐とした政治やら、ロクなことがない。
こう言っては何だが、毎日よくやると思う。アイラのいた国ではこんな事はあったなかな?と思っていたりすると、ピラフができた。二人分の皿に盛り付け、リビングに向かう。
疲れていたのだろう。いまだに眠っているアイラに声をかける。
「ご飯出来たよ。」
「…」
「おーい、おきろー。ご飯冷めちゃうよ。」
「うう…」
アイラが目をこすりながらゆっくりと体を起こす。フラフラと起き上がった少女だが、机の上のいい匂いを嗅いですぐ顔を輝かせた。
「わあ!なんていうの、これ」
「ピラフっていうんだ。」
「へえ!すっごくおいしそうなにおいがする!!」
「冷凍なんだけどな…嬉しそうで何より。」
「たべて、いいの?」
「どーぞ。」
「やった!」
そういって、眠気など吹っ飛んだように美味しそうに食べるアイラを前にして、やはりたくさんのものを食べさせたいと思った。…料理勉強しよ。
「美味しかったー!」
「ん、御馳走様でした。あー……じゃあ次はお風呂だな。アイラ、一人で入れる?」
「…おふろ、うん、たぶん」
あ、そっか、ここまでなにもしらないなら風呂とかも知らないはずだよな。教えないといけないのか。
「じゃあ、説明するから皿かたずけるのまっててな。」
「はーい!」
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