第2話
そんな人生をゲームと呼ぶなら、最底辺のステータス。見た目は、長くボサボサの髪に黒く光の薄い目。身長は平均より少し低いくらいだろうか?
そんな俺は、今日も(犬と)ボッチで歩いていた。人生なんぞクソゲーじゃ!
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湖side
「あーもう人生なんてクソゲーだぁ」
俺はそんなことをいながら愛犬のリュカの散歩に行く。それほど人口の多くない町の散歩道、辺りに人の様子はない。
今は冬休み。両親ともに、海外に出張。部活も言っていないので暇である。
起きて、卵かけご飯を食べて、リュカの散歩に行って、勉強して、アニメ見て、寝る。
まあ、詰まるところぼっち道を貫いているわけで。
「…なんかよくあるラノベみたいに異世界転移できたらいいのに。」
中二病発言と取られても可笑しくないことを呟く。
…まあ、そんなフラグを立てる。すると、雪の積もる道端に何かが居る事に気がついた。
「ん?」
そこには、真っ白な髪の幼い少女が倒れていた。だがその少女の見える肌には何か黒いあとのような、言ってしまえば紋章のようなものがある。首、手首、足首。入れ墨…ってあんなかんじなのか。にしても生々しいっていう形容詞が似合う感じだった。
日本の田舎の雪道に季節外れの服。さらに髪は白く、一発で分かるほどの美少女。
更に肌には何かの跡。
「え、俺フラグ回収乙です、ってやつ?」
正確にはちょっと違うけど。フラグってのは異世界転生とかっていうより、ラノベのほうにかかってる。
…いやいや待て、外国人の子供かも。…‥‥それを入れても近くに親らしき人の姿は見えないし、異常な状況は変わらないだろう。
放置も考えたが、こんなところに小さな女の子を置いておくわけにもいかない。
明日の朝見に来て凍死なぞ、後悔しか残らない。
あれ?生きてるの?あの子?
少し触れてみる。つめたっ!これ生きてる???
……あ、じっと熱を探したらまだ温かい。ひとまず誰もいない家に連れて行こうと思い抱き上げた。
軽い。雪の中白いワンピースのみ。震えている身体を近くで感じ、
「リュカ、早く帰ろう」
こんな雪の降る田舎で倒れているとは…大丈夫だろうか。心配しながら家路についた。
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