第2話

 いずみ うみ。何でこんなゴロが悪い名前を親はつけたのだろう。17歳。高校2年生。非リア。童貞。今は冬休み中。

 そんな人生をゲームと呼ぶなら、最底辺のステータス。見た目は、長くボサボサの髪に黒く光の薄い目。身長は平均より少し低いくらいだろうか?

 そんな俺は、今日も(犬と)ボッチで歩いていた。人生なんぞクソゲーじゃ!


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 湖side


「あーもう人生なんてクソゲーだぁ」

 俺はそんなことをいながら愛犬のリュカの散歩に行く。それほど人口の多くない町の散歩道、辺りに人の様子はない。


 今は冬休み。両親ともに、海外に出張。部活も言っていないので暇である。

 起きて、卵かけご飯を食べて、リュカの散歩に行って、勉強して、アニメ見て、寝る。

 まあ、詰まるところぼっち道を貫いているわけで。


「…なんかよくあるラノベみたいに異世界転移できたらいいのに。」


 中二病発言と取られても可笑しくないことを呟く。

 …まあ、そんなフラグを立てる。すると、雪の積もる道端に何かが居る事に気がついた。

「ん?」

 そこには、真っ白な髪の幼い少女が倒れていた。だがその少女の見える肌には何か黒いあとのような、言ってしまえば紋章のようなものがある。首、手首、足首。入れ墨…ってあんなかんじなのか。にしても生々しいっていう形容詞が似合う感じだった。


 日本の田舎の雪道に季節外れの服。さらに髪は白く、一発で分かるほどの美少女。

 更に肌には何かの跡。


「え、俺フラグ回収乙です、ってやつ?」


 正確にはちょっと違うけど。フラグってのは異世界転生とかっていうより、ラノベのほうにかかってる。

 …いやいや待て、外国人の子供かも。…‥‥それを入れても近くに親らしき人の姿は見えないし、異常な状況は変わらないだろう。


放置も考えたが、こんなところに小さな女の子を置いておくわけにもいかない。

 明日の朝見に来て凍死なぞ、後悔しか残らない。


 あれ?生きてるの?あの子?

 少し触れてみる。つめたっ!これ生きてる???

 ……あ、じっと熱を探したらまだ温かい。ひとまず誰もいない家に連れて行こうと思い抱き上げた。

 軽い。雪の中白いワンピースのみ。震えている身体を近くで感じ、


「リュカ、早く帰ろう」


 こんな雪の降る田舎で倒れているとは…大丈夫だろうか。心配しながら家路についた。

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