第4話極大魔法を使え

ということで回想終わり。以下続き。



どこかに消えていったアリーヤを待とうと思ったが、めんどくさくなってきたので、俺は探しにいこうとした。


「ア、アキト!!たす、助けて!魔物が、きた、ぞ!」


見るとアリーヤが、めちゃくちゃでかいリスを連れてた。

俺はさっと後ろを向き......ダッシュで逃げた。


「いや!待て!こいつが、この森、の主だ、ぞ!こいつ、を屈服、させて、魔王軍に、引き、込まなけ、れば!」


アリーヤはもう体力が無くなっているようだ。息が切れ切れだ。


「お前自称魔王だろ!?魔王のカリスマでどうにかしろよ!」

「い、いや。できない、ことも、無いが、もう体力が......」


アリーヤが倒れそうになっている。

後ろにあのでかいリスが迫ってきている。あのリスの爪で一撃をくらったらなかなかの大怪我をしそうだ。


くそ!手間かけさせやがって!

俺はアリーヤに向かって駆け出した。


「アリーヤ!もう少し頑張れ!」

「はぁ、はぁ、だがもう......ああ!なんだこの気持ちは!」


なんか顔が赤いぞ?


「まだだ!お前ならまだやれる!あと少しだ!」

「うう......すまん、もう、無理......」


アリーヤが倒れ、でかいリスがアリーヤにあの凶悪な爪で襲いかかろうとしている!


「アリーヤ!まてよ!」


俺の脳の神経からピリピリとした痛みとともに記憶が流れ込んでくる。

だが、思いだそうとすると霧のように消えていく。

そして、思ったことは、俺は、また救えないのか。


俺のネックレスから何かが伝わってくる。


それは力。それは熱。それは助けようという意思。


体中の血管が、グツグツと沸騰する感覚。

力が奥底から沸き上がってくる。


心から声が聞こえてくる。


イメージしなさい。あなたがしようと思うことを


俺はありったけの集中力を込めて手にその『力』を集める。

炎が俺の頭の中にはイメージできた。

あの巨大リスを倒して、アリーヤを助けないと。

なぜだか無意識に、だがはっきりとその標的に向かって放つ。

「『ボルケイノ』!!」


炎の赤い口が全てを飲み込むように周囲を食べ尽くす。


そして、周りには焼け焦げた灰と俺だけが残っていた。


......あっ。


「アリーヤ!?」


やばいやばいやばい!!さすがにこれはシャレになってない!

アリーヤを助ける!とかなんとか思いながら自分でトドメさしちゃってるじゃん!


しかしどうしようもない眠気が俺を襲った。


抗いがたい、深海の底に着いたような眠気。


全ての力を使いきったようだ。もう一歩も動けない。


指先すらも動かせない。

俺はそのまま泥のように眠った、

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

魔王と始める異世界征服 @soratuji_ituki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ