第18話 知らない方がいい本当の事




一つ目の宝石・・・





改めて考える。

『嘘をついてはいけない』そう宝石を持つ男は言っていた。



「俺は怪しい者じゃないです・・・ただの子供です・・・」



それで目がつぶれたってことは・・・

それが嘘だと思っているってことなんだろうか・・・自分自身がか?・・・

はは・・・笑えないな




夜・・・

シンカはノワールを待たなかった。

においを辿って追跡できると言っていたし・・

何より、昨日は一杯食わされたみたいで悔しかったからだ。




道すがら物乞いのお婆さんに呼び止められる。




「おい、小僧、悪いことは言わん、ここから先は行かん方がええぞ・・・」

「・・・」




「お婆さん・・・俺は何に見える?」



「なんじゃ・・・ただの小僧にしか見えんが・・・」



「・・・そう」




無論、足を止める気はなかった・・・





$$$




二度目の廃教会、

今日は堂々と正面から入る。




突然、現れた人物に黒いローブの人々は困惑する。



「この子供は・・」

「昨日、死んだ子に似ている気がする」

「まさか・・・じゃあどうしてここに居るんだ?」



周りが騒然とする。




おほん・・・おほん・・・





「俺は・・・化け物だ・・・」





よし、今日は大丈夫

こう言ってしまうのもなんだか『痛い人みたい』で恥ずかしいな・・・




なぜだか・・・周りの反応は予想以上だった。

悲鳴をあげて、逃げ出す者、気絶する者・・・様々だ。




「さぁ死にたくなければ、その宝石をこちらに寄こして欲しい。」

(ノワールさんはおそらく手加減しないと思うし)




異常に怯える宝石を持つ男・・・ただわめく・・・宝石にすがりつく・・・



「あんたは嘘が嫌いみたいだけど・・・俺は・・・嘘は悪いことだと思わないけどね・・・知らなくていいことも、この世には多い気がするし」

そう・・・この言葉に・・・嘘はない




「嫌だ、嫌だ、この宝石は邪神様から授かった私の宝だ・・・」

怯えて情けなく這いずり回る・・・




シンカ「・・・そんなに俺の姿が怖いの?」

・・・まだ、何の力も使っていないんだが・・・





「・・・ッ」





「・・・そんなわけがなかろうが!!・・・お前のような小僧を恐れるなど!!」




・・・




しまっ・・・




・・・ああ・・・あああ・・・あああああああ・・・ぎゃああああああああ






$$$






翌日、街の人々は噂をする。



「あの廃教会でまた死体が発見されたらしいよ・・・」

「目をつぶされたの男の死体だそうだよ・・・」



・・・怖いねぇ



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