第17話 死体処理班ニクスの信じられない出来事





ノワ「シンカ、あんまり死なない方がいいんじゃない?・・不審に思われるよ」





事情を聞いたノワールさんの一言だった。正論過ぎてぐうの音も出ない。


ともあれ、夜になったらノワールさんは

一緒に街の壁を飛び越えてくれるようだった。


シンカ「夜は真っ暗だから、ノワールさんが居ても目立たないと思うし」

しかし、夜間にノワールさんの目に睨まれたら生きた心地がしなかろうな・・・




夜まで待とうか・・・




そこら辺の原っぱに寝転がる。

街の壁を隔てていれば意外に見つからない。




ノワ「シンカ、シンカ・・・いいことを考えたよ」



シンカ「?」




そいっ





ノワールさんに咥えられて投げられた。街の壁を越えて飛んでいくシンカ・・・






$$$






警備隊所属、ニクスは思い詰めていた。

街の死体処理は新人兵の彼の仕事だった。

最近は死体の数が増えている気がする・・・目をつぶされた悍ましい死体・・・


暗い雰囲気の街、こそこそと噂をする人々・・・

ここに居ることが恐ろしくなってきた・・・




「なぁ・・・この街はおかしいんじゃないか・・・今朝運んだ死体は・・・年端もいかない子供だったぞ・・・」

「しっ・・・馬鹿・・・上の連中にその話を聞かれたら、またドヤされるぞ」





ふと・・・道行く子供の姿が目に入る・・・

「いたた・・・ノワールさん手加減がないんだから・・・」






あれは今朝運んだ子供の死体に似ている

いや、そんなまさか・・・まさかな・・・ははは





(仕事を変えようかな・・・)

ニクスは血の気が引いていくのを感じた。



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