【慣習】

上下関係について

・先輩には敬語を

体育会系の部活だけあって、敬語には厳しかった。

です/ますの丁寧語だけでなく、尊敬語や謙譲語も徹底的に叩き込まれる。

知識として知ってることと、実際に使えることとは違う。最初はなかなか自然に出てこない。

「一年早く大学入っただけで、なんでここまで……」と思わなくもなかったけれど、そういうものだと割り切ってしまえばすぐに慣れた。

このときキッチリと身に付けたおかげで、社会人になって敬語で困ることが無かったので、今となってはかなり感謝。

ただ、謝罪の言い方については変なルールがあって「申し訳ありませんでした」でも「すみませんでした」でもなく、「失礼しました」で統一されてた。

なので、それがクセになってしまって、たとえば電車で肩がぶつかったりしたときも反射的に「失礼しました!」って言ってしまう。言われた方もビックリよね。

これは卒部してからも数年引きずった。


・逆転現象

2年生や3年生になってから入部してくる人がたまにいた。

そういう人は、最初は初心者として1年生扱いで練習するけど、合宿のタイミングで実際の学年の扱いになる。

つまり、それまで「下級生」として接していた人がいきなり「上級生」になったりするのだ。これはなかなか戸惑う。

あと、定年退職したあと学士入学で3年生で編入してきたおじいちゃんが入部してきたことがあった。

僕も同じ3年生だったので、いきなりおじいちゃんの同期ができた。

わざわざ定年後に勉強しようなんて人だけあって、面白い人だった。卒部の際に、なぜかアダム・スミスの『国富論』(原著)をもらった。

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