【備品】

的について

・的の大きさ

一般的な的は一尺二寸(36㎝)なので、通称「尺二しゃくに」。

納会の余興なんかでは、金色の紙を貼った三寸(9cm)の的「金的きんてき」を使ったりもする。金的の場合は、なかなか中てられる人がいない。もし中てられたら、その金的はプレゼント。

ちなみに、男の急所のことも「金的」って言うけど、その語源はこの金的らしい。

しかし、女子部員も全然気にせず普通に「金的」って言ってたな。

こっちが気にし過ぎなのかな……。


・的の種類

よく使う的は二種類ある。

白/黒/白/黒/白/黒って輪っかが何重にもなってるやつが「霞的かすみまと」。

中心に一個だけ黒丸があるのが「星的ほしまと」。

かすみほしか、道場によって使ってる的が違う。

ウチの部活は星だった。


的張まとは

的の紙は定期的に張り替える。使ってると矢でボコボコ穴が開くからね。

ウチの部活では週に二回、的張りの日があった。手分けしてみんなで一斉に張る。

木の枠に新聞紙を重ねて数枚張り付け、最後に的の紙を張る。

のりは小麦粉と水を混ぜて鍋で煮て作る。買うよりそうやって作った方が安いらしい。部費の節約だね。

作り立ての熱い糊をハケでぬって、ペタペタと貼って、一日放置して乾かす。

張るのが下手だと、糊が乾いたときに紙が浮いてデコボコする。

学年に一人くらい貼るのがやたら上手い奴がいて、「的張り職人」って呼ばれる。ピンと紙が張った的は、矢を中てた時に良い音がするんよ。これがまた快・感なので新品の的はみんなに狙われる。

合宿中の的張りは、それまで遅刻したり何かやらかした人がペナルティとして担当してた。ペナルティを食らった人数が多いと、ワイワイ話しながら作業をするので、逆にちょっと楽しそうで羨ましかったりする。

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