作品紹介文に"植物の化物"と記載の通り、ロード・オブ・ザ・リングに登場する樹木の妖精みたいな化物とのバトル小説です。この作品は、書物でも面白いですが、ゲームかアニメ映画の様に映像化すれば面白さが倍増しそうな作品です。作者の力の及ばない要求ですが、最適な媒体ではないなぁと思うので、星2つです。(作者は釈然としないだろうなぁ)
でも、背景設定はしっかりとされているし、ドンデン返しも豊富に準備されているので、読んでいて飽きは来ません。20万字超の文字数を圧縮できれば...とも思いますが、ふんだんな戦闘シーンを削る事になるので、"角を矯めて牛を殺す"に成り兼ねず、これで良いのかもしれません。WEB小説の最大の利点は文字数制限が無い所だと思いますから。
高々2週間前後の出来事を書いているので、スピード感が有りますし、緊張感が途切れません。
世界の頂点、エネルギーの主要産出国の地位を謳歌していた島国・日本は、ある日突然そのエネルギーの基――『緑』の侵食により、何億もの住民ごと果てしなく続く巨大な森へ姿を変えてしまった。しかし、貪欲な人間はそれでも諦める事なく、エネルギーの所有権を狙うべく、かつて日本と言う国があった場所やそこに生い茂る緑の秘密を手に入れんと動き出し続け……。
どこまでも続く暗い森や蠢く謎の化け物が待ち構える緑の世界の中で、様々な危機、様々な現象に直面する主人公たち。
まるで『地獄』のような緑溢れる大地と言う皮肉な空間、そして崩壊したかつての先進国を舞台に、先が全く予想できない、何が待ち構えているか分からない決死の任務が繰り広げられていきます。
丁寧な作品描写や独特の世界観も魅力のSF作品。
果たしてこの迷宮を潜り抜ける事は出来るのか……それを知るのは、大地を覆う巨木だけかもしれません。