第10話いざマール砦へ。
皆さんこんにちわ。セレスです。今、私が何処へ向かっているのかと言うと特別緊急クエストなるものを受けたので、救援基、人族の守備力を見る為に(寧ろ此方が目的なんですが)マール砦へと向かっている最中なんですが・・・・・・。
あれ?おかしいですね。エリスさんに言われた通りの道を歩いていた筈なんですが全くと言って良いほど目印もなければドンドン進めば進む程人族が通る気配すらありません。これはあれですかね?俗に言うところの迷子ということですかね?
うーん。一体何処でどう間違えたのでしょうか?砦に行くには普段でしたら馬車で直接行けるのですが、今は襲われているので途中にある村で降ろしてもらいそこからは徒歩で向かう。確かそうだったと思います。
村を抜けた後、直ぐ脇に川が流れているので川沿いを歩いて行けば砦が見えてくると。
そう言っていた筈なんですが・・・見えませんね。川を間違えましたかね?
えぇ・・・えぇ・・・確かに村を抜けた後、直ぐ脇に川が流れていました。2本。其処までは大丈夫です。違う所は次です。エリスさんは言いました。利き手側の川を沿いを歩いて行けばと。
皆さんお分かりになりましたか?そう!利き手側です。エリスさんの言うところの利き手側と言うのはきっと右手側の事を指しているのだと思います。が!しかし!私にとっては違うのです。私にとって利き手側と言うのは左手側を指すのです。何故ならば私が左利きだからです。訂正させて頂きますが私は決して方向音痴では断じてありません。
もっと早くに気づけば良いのでは?確かにそういった意見もありますが、今は受け付けておりませんので悪しからず。ではこの状況をどうやって乗り越えましょうかね。1つはもと来た道を引き返して向かうという方法。もう1つは砦迄ショートカットする方法です。
今回は余り悠長に事を構えている時間もないみたいですし、今回に限りショートカットを採用したいと思います。
では早速。
「探索」
私を中心に半径5キロメートル圏内にいる生命反応を調べる。
「フムフム。成る程。あれですね。1ヶ所だけ随分多く数の生命反応がありますね。それにドンドン生命反応が消えています。此処からですと流石にどちらか迄は分かりかねますが、急がないといけないようですね。」
場所は大方分かりました。やはり私が今いる場所と反対側にあるようですね。これでハッキリしました。間違っていたのはエリスさんで私では断じてないということが。
うん?エリスさんに説明していない私がいけないのでは?いえいえ今は火急の時ですよ。そんな細かい事は気にしてはいけません。
ほらほら急ぎますよ。
「浮遊」
誰にも見られていない事を確認してから風の魔法を纏い体を地面から浮かせます。
「驚かせてすみません」
途中上昇する私に驚いている小動物に謝りながら上へと上がり森を抜けて行きます。
森を抜け辺りを見回すと先程反応があった先に煙が立ち上っています。
「どうやら彼方みたいですね。では!」
煙が立ち上っている方向へと体の向きを変え足元に風の魔法を集束させます。
「疾風」
足元に集めた風を一気に放出して目的地まで飛んで行きます。例えるならそうですね、追い風の物凄いバージョンと言った所でしょうか。しかしこの魔法欠点があるとするならば1つだけ私は普段この魔法は使わないので、馴れていないと勢いが凄すぎて眼が開けてられないということです。
眼が~眼が~乾きますぅ。
今後もこの魔法を使用するならば要課題ですね。
おっと、そんな事を思っていると、どうやら着いたようですね。双方共に見つからない距離で少し離れた所で降りましょう。
「ふぅ~どうやらまだ砦は墜ちてはいない様で何よりです。これで墜ちてしまっていては初任務して初失敗なんて恥ずかしすぎて皆に笑われてしまいます。」
空の上からざっと見た感じですと空からの襲撃は無いみたいですね。後は地上の方ですが、フムフム・・・成る程。攻め手はゴブリン・オーク・コボルト達の混成部隊のようですね。指揮は・・・あぁ~オーガですか。
うーん。そんなに苦戦する程には見えないのですが・・・それとも人族はわざと弱い振りをしているのでしょうかね?それとも本当に弱いのでしょうか?人族がこの程度だとするならば私達魔族が負ける要素は何一つないと思うのですけど・・・。
まぁそれはそれとして今は図らずも人族の味方をしなくてはなりませんし、初任務も成功させねばなりませんから。あの方々には速やかに退場、若しくは消えて頂きましょうか。
魔王の娘なんですが、勇者してます。 亀様仏様 @Kamesamahotokesama
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