第6小節ー楽器、楽しそうだな

健さんは直したベースを受け取って、持ってきてた小さなアンプを繋いで、弾き始めた。

低く重厚な音がする。

「うんうん、我ながら良い仕事したわ。」

奏人さんが頷きながら満足そうな笑みを浮かべた。

俺も何か楽器が弾けたら、楽しいだろうな。

【どうしたの?】

ベースをある程度弾いて手を止めていた健さんがホワイトボードに書いていた。

「俺は学生時代、勉強しかさせてもらえなかったので、楽器を演奏することがなかったのです。音楽の授業くらいしか。なので、楽しそうだな、と……。」

【なら、ぼくが教えられるよ。奏人君、いいかな?】

「いいね。下の従業員用防音室使うと良いよ。健ちゃん知ってるよね。」

頷いている。

【じゃあ決まりかな。どんな楽器がいい?】

「そうですね……。」

「弦ちゃんだから、弦楽器とか?」

楽しそうだな。

「弦楽器にはどんなものがあるんですか?」

奏人さんが驚いている。

「そこから?!」

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