第27話 恐怖
今日も学校を休んでしまった。
あれからもう一週間は経つというのに、あれ以来外に出られなくなってしまった。
制服を着ただけで、あの時の恐怖が蘇る。
胸を弄られた時の感触、男達の厭らしい目、引きずられたときの痛み。
すべてが恐怖だ。
私、一生このままなのだろうか?
そんなに悪い事した?
あの人達、私と知って襲ってきた。
そんなに恨まれる事をした?
あんなに悪意を向けられたのは生まれて初めてだ。
怖い。
嫌だ。
このまま消えてなくなりたい。
もう一生、この恐怖から逃れられないのなら生きている意味なんかない。
私は今日、3度目のお風呂に入っていった。
何度洗ってもキレイにならないの。
何度洗っても感触が残っているの。
キレイにしなくちゃ。
私の白かったら肌はもう真っ赤になり、ところどころ血が滲んでいた。
目を開けるとルーフスが手を握ってベッドの横にいた。
顔は珍しく心配そうな顔をしている。
「もう朝?」
「いや」
その問いに優しく微笑む。
あ、ルーフスの笑った顔初めて見たかも。
こんなに優しく笑うんだ。
いいじゃん、この顔好き。
ルーフスの顔を見て安心したせいか、私はまた眠りへと誘われていった。
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