撮影終了


「はいっOKっ!」

 氷川コオリカワさんが、スマホの動画撮影を止める。



「はぁ~緊張したよね」


「俺はぜんぜん緊張していないぞ雄一ユウイチ


「えっ、滑舌が悪くなってたよ太子タイシ?」


「滑舌が悪いのは、たぶん気のせいだよ、ははは」



 学園ニュース撮影の緊張がほどけたのか、僕たちはそう笑いながら話をした。氷川さんが、目の前で撮影した動画をスマホを操作しながら確認している。


「氷川さんって学園ニュースだから、放送部なのかな?」


「あっ雄一、それを言っては……」


 動画を確認しているスマホを手に持つ氷川さんの操作が止り、放送部と言う言葉に反応。僕のほうに近寄ってくる。


「えっ? そこの君っ! 私のことを放送部って言いましたっ?!」


「えっ、はい」


「私は放送部であり、放送部ではないのですっ!!」


「えっ?」


 氷川さんのどこかにスイッチが入ったらしく、僕に向けて急に山背高等学園やませ こうとうがくえん放送部の実情について熱く語り出した。


「そーなんデスっ!! 我が放送部と言えば、現在まで歴史があり。放送コンクールの全国大会に進出する名門校であり、山背高等学園といえば放送部! というブランドまであったのですっ! が」


「すごい……」


「それは過去のことになりました、現在の放送部部員は私一人になり、このままではいけないと!」


「そうなんだ……」


「そこで私、氷川は放送部の部員を増やすべく、活性化させるために日々頑張ろうと行動しているのです、これからは試行錯誤して改革していきますっ!」


「改革!!」

「改革?!」


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