あの学園ニュース
「アクションっ!」
「は~い、皆さん週1度のお楽しみ~っ! 学園ニュースの時間で~す」
「今日は我がっ、
氷川さんがカメラの写らない前方に手を持って行き、僕たちに指をで合図をしてくる。撮影前の太子が、発声練習の成果を発揮できる本番の時がやって来た。
「え゛゛っ !! ああ゛のあの学園ニ゛ュ~ス゛?! 」
「えっ?! あの学園ニュース!」
あの抜群の発声練習までしていた太子が、まさか緊張して滑舌が悪くなっていた。何度も発声練習していたのに……。僕と太子は同じタイミングで指示通りに話した。
「じゃ~っ滑舌の悪い君っ、我が学園で話題になっていることはありますかっ?」
「あ゛っ、い゛つも購買に向かうと、最近はジャムぱんが売り切れていて、俺もジャムぱんが食べたいので、購買の人にジャムぱんをたくさん仕入れてほしいでず」
緊張した太子を横に、そういえばいつも太子は購買でジャムパンの棚を見ていたな、何も言わなかったけど本当は食べたかったのか。でも仕入れを増やしても、津井さん姉妹が全部買占める気が……。
「ジャムぱんの仕入れはっ、あとで購買のほうに自分で言ってくださいね~」
「じゃ~っとなりの君っ!学園で話題になっていることはありますかっ?」
「学園……う~ん、なにから話せばいいのか~分からないまま~」
「話題なら~何でもいいですよっ」
「あっ! 今朝から氷川さんが話題になっています!」
「私ですか~っ? ありがとう~! 嬉しいですね~今朝のテレビを観てくれたのかなっ?」
「はい」
「それじゃ~最後にいつものやつ、三人で終わりますね~!」
「学園ニュース最高~っ!」
「学園ニ゛ュース最高~っ゛!!」
「学園ニュース 最高~っ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます