彩りを重ねて
彩りの中に彩りを重ねて彩りを殺して
叫びのうちに叫びを連ねて呼び声を生かして
昨日の続きでしかない今日
生きているよ
まだ生きている
滑稽の中に抑揚を見る彩りの咎
生きているよりはしょうがない
彩りの中に彩りを重ねて彩りを殺して
望んでみてもまばら
赤玉のうちから
誇りを捨てて奢りを放って鉛色の世界であれと
愚直な望みを捨てない
今日の続きでしかない明日が来るとしても
無力のうえに
それでも彩りは自在に笑う
昨日の続きでしかない今日
続く明日を見るだけの
動かぬままで暮れゆく
命が静かに磨り減る
赤む
どこでもないわずかな言葉の悪戯で
暮れゆく今日に刃向かう
伝えたいよ
生きているよ
何もかも足りねえよ
こんなにも彩りにあふれてしまっては
伝えることもままならなくて
同じ世界に立てなくて
眩しいよ
彩りの中に彩りを重ねて彩りを殺して
出てくる答えが愚かな顛末でも
昨日の続きでしかない今日に鳴らして
彩りに飽いた暗がりを欲して
伝えたくて
そのくせ滑稽に浴して
彩りに塗れる
素知らぬ
彩りは暮れゆく
答えのない答えを求めて解をなげうって
泥土の中の礫塊?
赤玉のうちから塵埃?
書くことの魂のない言葉たちばかり連ねて
ふがいない灯を先立てて
足りないってわかっていても
今日の続きじゃない明日が欲しいんだよ
彩りの中に彩りを重ねて彩りを殺して!
彩りの中に彩りを重ねて彩りを殺して!
暗色のうちに生きる命を探したくて
無色に光る命を捧げたくて
そのうえでこそきみに声を届けたいのに
灯は彩りに上塗りされて
昨日の続きでしかない今日にしか生きられない
足りない魂の継ぎ目からこぼれる
不器用な鳴き声で
さすらうように声はかすれる
歪な安寧
滑稽に浴する
卑怯の流儀はことごとくはね返される
今日の続きじゃない明日に
きみの生きている実存する世界の隅に
手が届かない
彩りは彩りのままに暮れゆく
今日の続きじゃない明日が欲しいんだよ
きみに声を届けられる明日を求めているんだよ
足りない灯でどうにかするしかなくて
暮れゆく
願うばかりの烏骨鶏
かすれる声で鳴く
彩りの中に彩りを重ねて彩りを殺して
ねえ
望んでみてもまばら
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