キャンディドロップラビットの熱暴走
実に真のところで言ってみてもみなくても
実のところはぬいぐるみのうさぎに
何を倒してやれるというのだろう
(金属バットが持てるというのか?
トリガーなら引けるのか?)
それでも超高温の想念が暴れまわって
きみの涙へまっすぐ向かえと熱を散らす
キャンディドロップラビットからすれば
ちっともそれに甘んずるではなく
とっくに駆けだしているのだけれど
布の裂け目は縦横無尽
綿なんて四散の焦げ
こいつはとっても無惨の至極
でも縫うさ
綿はまた詰めるよ
きっと間違いなく縫うよ
まさしく必ず綿を詰め直すよ
とっくのとうに白状している
何の力にもなれないことを
きっときみもとうに知っている
自分の元へはいつまでも着かないと
キャンディドロップラビットの熱は
それでも駆けることを選ぶよ
それを暴走だと言ってみたって
文字通り走ることが
キャンディドロップラビットの体温だよ
涙を慈しむことしか覚えのないきみが
ただそこにいるというだけで
キャンディドロップラビットの熱は暴走を始めるよ
もしそれで
捧げたい祈りが置き去りになってしまうというなら
電車も車も自転車だって必要ない!
瞬間移動はできなくていい!!
それでも絶対に言うよ
この身の綿はきみが抱くためにあるって
いつまでも着きやしないうさぎを待つことを
その絶え間ない失意の中で
脱走と快走と暴走を繰り返す
キャンディドロップラビットの散る熱を
とてもとても遠くにいるままに
無理だってうさぎも知っている
でも
拾いあげてほしいんだよ
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