第29話 交易王*古賀さん⑦
部室のドアを開ける。
寺島さんとウラカタさんがレ・タフロの試合を見ていた。
「お待たせ」
「あぁ、来たか」
寺島さんはそう言って、私の方を見ると椅子から立ち上がり、こっちに来た。
「久しぶり、古賀さん」
「…久しぶり」
古賀さんは、不慣れな空間だからか寺島さんを見ずに答えた。
その様子を、1人座っているウラカタさんは不思議そうな顔で見ていた。
ウラカタさんは古賀さんと面識があるのだろうか?
お互い喋らないし、無いみたいだ。
「奥の2つ使うね」
私はそう言って机の向こうに行き、前と同じ椅子に座った。
古賀さんは私の右隣に座らせた。
寺島さんは充電しているiPhoneを少し確認してから、私の対面の椅子に座った。
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