第27話 交易王*古賀さん⑤

鰻重をレンジで温めてる間、彼女は別の冷蔵庫で飲み物を探していた。

「飲み物何がいい?」

「飲みやすいやつ」

私がそういうと、彼女は少し笑って内扉からバヤリースを取り出した。

「はい」

「どーも」

受け取って、グラスに入れて飲む。

何も喉に引っかからないこの感じ。

単にオレンジ風味がついただけの甘い液体がただただ喉を通過する。

そうしていると、温まった鰻重を彼女はレンジから私の手元に置いた。

もう1つも彼女がレンジで温めている途中、私はちょっと前の事が少し気になった。

「さっきやったアレって引っかかる人いるの?」

「あなた以外は引っかかった」

「重箱?」

「そう、大体重箱を選んで次第に箸が止まる。量が多いからね。そしたら私が選ばれなかったプリンを食う。その時の相手の顔を見るのが楽しくて楽しくて」

これ、逆も同様に言えるから単品選ぶとアウトなんだよね。

「ただ、あなたみたいに図々しい人はこれを避けた結果、普通の食事にしやがる」

私に対する文句を言いながらまた温まった鰻重をレンジから取り出す彼女。

「それじゃ、いただきます。」

「いただきます。」

彼女も同時に手を合わせた。

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