第26話 交易王*古賀さん④

「ルンバ買ったの?」

「え、知らない。」

「なんか怖いな」

多分、結構前に買ったものだから忘れてるだけなんだろう。

「新品の枕って何色?」

「えーっと、多分白、もしくは薄い青」

「分かった。」

この朝から見えてる輪郭の色が中身と関係してるんじゃないか。

だとすれば、開けるべき箱の数はかなり減る。


5個目に開けた紺色に見えた段ボールの中に、薄い青色の枕があった。

「見つかった。」

「それは良かった。」

古賀さんはゲームをやめて冷蔵庫の方へ行った。

「腹減ったでしょ」

そういって、立派な重箱を出してきた。

「気分悪くてまだ食えないなら流動食もあるけど」

「微妙な所だからハーフアンドハーフがいいんだが」

「普通にかわすなぁ」

そういって白い箱も出してきた。

中にはブランド名が刷られた容器に入ったプリンが2つあった。

「そういう遊びでしょ」

「あなたは引っかからないね」

そういって、重箱の蓋を開ける彼女。

身の大きい鰻重が見えた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る